小森 大師の脛曳 Leg  disturbing


大師村には 脛曳Sunehikiと言う妖怪が いて、雨の日の夜、山道を歩いている時に現れ、脛を引っ張り、歩くのを邪魔し脛に傷持つ者で それを隠している者は 噛みつかれ 悪人の印を 付け、行いの良い者には 福をもたらすと 言われます。雨の降る夜に 大師の山道を 走るようにして 急いでいた 正直者の男がいました。急坂に掛かると 突然脛に 異様な犬のような動物が纏わり付いて来て 着物や 股引を引っ張りました。余程 人恋しいのか 追い祓っても 追い払っても 懐いて来ます。その 鬱陶しい事  鬱陶しい事。先に進もうが  立ち止まろうが  退こうが お構いなしで、離れようとしないのです。歩き難い事  歩き難い事。攻撃的でなく、丸っこくて可愛らしく フワフワした毛のクリクリ目玉の仔猫と 見間違える子犬のような妖怪でした。性悪\脛に傷持つ人間だと 脛に齧り付き 言葉通り、脛に傷を 付けられるそうです。

大師の脛曳に 出会ってしまうと、もう逃れられません。無理に 逃げようとしても、立ち去る事は 出来ません。子犬や 仔猫が 捨てられていると、そのまま 見ないふりをして 通り過ぎようとすると 本能的に不道徳感を 感じるもので、それと同じ感情になるからです。人間を含め 多くの獣は 見た目が 可愛らしく 弱い者を助けたいと言う 第六感が あるからです。その第六感を 強める妖力を 持っているのです。ひたすら じゃれて 遊び飽きるのを待つか、雨が上がるのを 待つしかないのですが、大抵は1時間程で 遊び飽きてしまいます。正直者はそれを聞き知っていたので、諦め(て抱いたり、「高い高い」を したり、睨めっこを したりしてやりました。妖怪は 嬉しくて 体を擦り付け 顔と言わず 足裏まで舐めました。とても 心地良いのです。そして 腕白坊主が 遊びに飽きて 突然に走り出すように、小1時間して 突然山の中に 消えて行き 解放されました。それからは 脛曳が田畑の番をしてくれるので、正直者の田畑には、雀 鼠 猪 猿 や狸等の害獣が 近寄らなくなったそうです。「三谷野呂の百怪談」    妖怪脛擦:岡山県のあちこちに 脛擦Sune-kosuri言う妖怪伝説があります。岡山小田の脛擦は、雨の降る夜に現れる犬のような妖怪で、この犬怪Inu-kaiは 股間Kokanを擦り擦りして 歩く人の邪魔をするそうです。また井原の七日市の脛擦は 辻堂に現れる犬怪で 通行人の脛の間を潜ると言います。井原の芳井に脛転Sune-kkorogasiと言う妖怪がいます。真っ暗の夜に 足を引張って 転ばせます。他にも 悪事を働いた者は 脛を齧り 脛に傷を付ける 犬怪もいて、脛齧Sune-kajiriとか脛齧Sune-kaburiと 言います。泥を 着物に擦り付け 悪者の証として印を付ける 泥跳Doro-haneと言いと言う妖怪も います。水木しげるさんの漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の中に登場する脛擦は丸っこい黄色と白の猫の姿をしています。https://ja.wikipedia.org/wiki/すねこすり」 脛曳の正体:雨に濡れた股引等は 足に貼り付き 歩く等の動きを制限します\ 大師村:北緯34度55分54秒東経133度47分60秒付近 現在人は住んでいません 岡山小田 矢掛町文化センター:岡山県小田郡矢掛町矢掛2677-1番地 北緯34度37分40秒東経133度35分14秒    井原師七日市木野山神社:井原市美星町星田3209番地 北緯34度35分24秒東経133度28分44秒    井原市芳井町吉井峠村:北緯34度38分32秒東経133度26分54秒   脛齧り: 他人 主に両親に 生活費や 学費を 提供してもらう事や そうゆう人     平成23年(2011年)11月20日