粟井谷 粟井谷狸太郎 Awaidani-Ritarou   狸が鍛えた相撲取 sumo wrestler who was trained by raccoon dog


村の裏山に 空き家があり 悪い狸が 住み付いていました。隣村の方から来た旅人が 道に迷い この家に「泊まらせてくれるように。」と よく頼むので、狸は人に化け 上手に 旅人を 騙して お金を盗って 町に行き 好きな酒や 鰤Buriを 買って来て 悠々自適な生活を 送っていました。一人騙すと 少しだけ家を 改造し  化け直して 家の住人を 入れ替えました。騙された人が 敵討ちに来ても、よく似た家があっても その家には 別の人が住んでいたので 文句も言えず帰るしかありませんでした。ある日 相撲取りが やって来ました。それを見た狸は「相撲の親方に化け 稽古を付ける 振りをして 指南料を 騙し盗ってやろう。」と 考えました。相撲取りが おずおずと 宿を頼みました。狸は 親方に化けていたので 偉そうに「稽古ぅしっかりするんなら 泊めてやろう。」と 言いました。相撲取りが 戸惑っていると、親方は「庭に出ろ。稽古をつけてやる。」と 言って 裏庭に 飛び出ました。相撲取りが 遅れて 裏庭に出ると 親方は 既に廻しを付け 堂々と 待ち受けていました。稽古が 始まりましたが 相撲取りが 組み係り押しても 引いても 投げようとしても ビクともしません。狸は 大木を 親方に変えていたからです。ひ弱そうな親方が あまりに強いので  相撲取りは 喜び 寝食を忘れ 必死に 稽古しました。

親方が 蓄財が少なくなったので ついに 宿賃と 指南料を 請求しましたが「お金を持っていた仲間と 逸れて 1文も持っておらん。」と 言うのです。大飯を 只で 食われ 大損した狸は 腹を立てて「仕方ね ぇ。腹いせに 苦しめて 埋め合わせしちゃろう。」と 思い「ならば もっと稽古し 強くなってから 払ぇ。 出世払いじゃ。」と 言って 更なる激しい稽古を 続けさせ、大岩を 運ばせ道を 作らせたり 大木を 切り出して 薪を 作らせたりもしました。4ヶ月程して、はぐれた仲間が 相撲取りを やっと探しに やってくると、相撲取りは 大木に向かい ぶつかったり 押したり 投げたりしていました。特に 張り手の稽古は 熱が 入っていました。仲間が「狸にでも 化かされとる。ワハッハッハ。」と 大声で笑うと 相撲取りは ハタと 正気に 戻りました。相撲取りは「やはり 狸に化かされていたのか。 そう言われれば 親方の顎は 細くて 小まいしKomai-si、短足で 歯も 狸に良く似とったなぁ」と 頭を掻き掻き 戻っていきました。処が 人並み外れた激しい稽古で 贅肉Zeinikuが取れ  筋力も付き スタミナも付いたので その場所の成績は 上がったのです。稽古のコツを 身に着けた相撲取りは  あの親方に感謝し 稽古に さらに 励み  幕内に 出世し 粟井谷狸太郎(Awaidani-Ritarouの四股名Sikonaを 名乗りました。得意の張り手が 物を言い  アッという間に 大関になりました。張り手が 強すぎるので 怪我をする者が 続出るようになると 、張り手を 禁止されました。張り手を 禁止されても 大関の怪力に 任せた 投げ技 押し技は 人間離れしていました。余りに 荒々しい取り口でしたので「狸憑きTanuki-tukiだ 。だから狸太郎と 名乗ったのだ。」と の デマが 横行したので、横綱に 推薦される事は ありませんでした。それでも 愚直で 真正直な 狸太郎大関は 出世払いにしてくれた あの親方の家を 宿賃と 指南料の他謝礼を持って 訪ねました。親方の家と思う家は 違う家になっていて、家の主人も 別人でした。家主に 事情を話し親方の事を訪ねると「その親方なら 良く知っっておる。親しい仲じゃけぇ その内に 遊びに来るじゃろう。」と 答えたので 6日間家の前に 座って待ちましたが、親方は やって来ませんでした。相撲取りは 落胆し  謝礼のお金等を その家主に預け「親方が来た時 渡してつかぁせぇ。」と 頼み 帰って行きました。

本当の事を 言いたいのに 言い出せない狸は、自分に 初めて感謝してくれる 相撲取りの熱い思いに  胸に 込み上げるものを 感じました。本願を 果たし終えると 大関は 狸が 師匠だった事を 公表しました。すると「それ見た事か。」と 非難され「相撲を止めろ。止めろ。」の声の嵐に 従い、潔く 相撲を 止め、本業の百姓に 専念し 相撲の歴史から 名を隠しました。それを 知った狸も 大 関の潔さに 惚れ込み、自分の悪行を 恥じました。それからの狸は 人のために 化ける力を使う事にしたのです。泥棒がいると 世間話を 仕掛け 悪さ諦めさせたり、戸締りを 忘れた人の家の前で 番犬になったり、酔っ払いや 乱暴者がいると 大失敗させ反省させたり、諍いがあると 役人に化け 仲裁したり、悩む者が いれば 仏や神に 化け 心の支えになる等したのです。人々は その都度 感謝し 持て成してくれたので 衣食住に 不自由する事がなくなりました、しかしながら 悪戯好きは 治らず、兎Usagiに化け 月見団子を 盗んで 不思議がらせたり、鬼に化けて 豆撒きame-makiに 割り込み  炒り豆を食べたりする等、時々やんちゃもしました。「三谷野呂の百怪談」

粟井谷大師堂:北緯34度55分54秒東経133度45分35秒 重箱婆:古狸(妖狸)が 重箱を持った 婆に化けて「重箱婆じゃ、ご馳走はいらんかえ。」と 言いながら 売り歩き、買おうとする人に 石のようなものを 担がせるという。https://ja.wikipedia.org/wiki/化け狸何で 石を担がせるのでしょう。 まさか 人を鍛えるためとは 思いませんが。 文福茶釜:茶釜に 化けたが狸が 寺の宝物となる昔話  群馬県館林市茂林寺の伝説では 狸が 守鶴Syukakuという僧侶に 化けて 寺を 七代守り 汲んでも 汲めども尽きない茶を 沸かしたとされている。分福茶釜 - Wikipedia」 狸囃子:どこで鳴っているか解らない 不思議な 太鼓や お囃子の音の昔話。 江戸で 本所七不思議や 番町七不思議に 挙げられており、真夜中に いずれからか 太鼓の音「狸囃子」が  聞こえてくると言う。童謡証城寺の狸囃子は  證誠寺 に伝承される物語を 元に作られました。「狸囃子 - Wikipedia」 宗固狸:寺の僧に化けた 狸が 昼寝をして正体を 現したました。しかし  長く真面目に 仕えていた事に 免じ その後も 給仕させたという。茨城県飯沼弘教寺に墓がある。「化け狸 - Wikipedia」 有馬家上屋敷の大入道:武蔵国荏原郡三田町内(芝赤羽)摂津有馬家の江戸上屋敷(久留米藩江戸上屋敷 東京都港区三田1-4に 出没する大入道は 古狸の化けたものであったという。 袋下げ:狸が 木に登り 通行人が あると その人に 目がけて 白袋を ぶら下げるという。袋下げ (ふくろさげ)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net) 竹伐狸Take-kiri-Danuki山の竹藪の中に棲む古狸が 竹を切る音を立てて 人を化かすという。竹伐狸 - Wikipedia    負われ坂:夜中に ある所の坂を通ると「おわれよか。おわれよ か。」と 気丈な男に 声をかけてきました  男が「負うたろか、負う たろか、」と 答えると 松の太い株が 乗りかかってきました。家に 株を持ち帰り 鉈で割ろうとすると 古狸が 正体を顕わして 詫びたという。負われ坂とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書 赤殿中:夜中に 狸が赤い でんちゅう(袖のない半纏)を着た童に 化けて 背負ってくれと 執拗にねだるので 仕方なく背負うと 嬉しくなって その人の肩を叩くという。「赤殿中 (あかでんちゅう)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net)」 傘差し狸:雨の降る夕方等に 傘をさした人に 化けて 通行人を 招に呼び止めるので 傘を 持ち合わせなていなかった人が 感謝し傘に入れてもらうと、どことも知れない所に 連れていかれるという。傘差し狸 (かささしたぬき)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net) 首吊り狸:人を 誘い出して 首を吊りさせるという。首吊り狸 (くびつりたぬき)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net) 小僧狸:小坊主に化けて 夜道を急ぐ人の前に 立ちはだかり通行 を邪魔すると 怒った相手が 小坊主を突き飛ばし 刀で斬ると 小坊主が 数が倍に増えるので、又切ると 倍に増え 一晩中人を化かすという。小僧狸とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書」 坊主狸:坊主橋を 人が通ると 気付かれないように 坊主頭にしてしまうという。化け狸 - Wikiwand 白徳利:狸が 白い徳利に化け 人が 徳利を拾おうとすると コロコロ転がって 逃げるという。日本各地の化け狸一覧と伝承|日本の妖怪 | ORIGAMI – 日本の伝統・伝承・和の心 (origamijapan.net) 兎狸:吉野川沿いの小さい丘 高岡で 狸が兎に化けて ゆっくりと走り、それを見た人 は格好の獲物と 思って捕まえようと 追いかけると 高岡の周りを走り回る羽目になるという。兎狸 (うさぎだぬき)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net)」. 打綿狸:綿の塊に化けた狸が 路傍に 転がっていのを 人が 拾おうとするとすると 逃げ出し天に上るという。打綿狸とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書https://ja.wikipedia.org/wiki/化け狸」  平成23年(2012年)1月4日