三谷 陰地 一心神門 Issin-sinmon


三谷i野田尾70番地より やや山道を登ると 丁字路に成り、右手の奥に 円墳と思われる高まりに 墓石等 石像物群が 祀られています。その中心的石碑に 一心神門と 刻まれています。その後ろ側に、石組みの祠が 有ります。いつの事か分りませんが、陰地Ondiを訪ねて来た 僧侶が  旱魃で 悩む村人のために 自らを人柱にして 雨乞いを 三谷城の聖地で 祈祷しました。僧侶は「鈴の音が 消えた時は、わしが 死んだ時と思いなさい  私が 死んだなら この穴に 埋めなさい」と 村人に告げ、自らの墓穴を 掘り その底で  鈴を ジャンジャンと 鳴らし 祈祷を 続けました。遂に 鈴が鳴り終わったので、村人は 一心神門を 丁寧に葬り、尊い命を 讃たえて 祠を築き 僧の心を 崇めました。「三谷陰地の村人のより口伝」

 

一心神門物語 Story of ISSIN-SINMON

 昔のある時、三谷陰地は 激しい旱魃に 襲われ、野や山は 枯れ掛かり やっと育ちかけた稲も 火を噴きそうな程に 乾き切りました。村人は 顔を合すと「神瀬の者は 本宮山の龍王宮に 雨乞いしたんじゃが 未だ雨ぁ降らん」「百々Doudouの滝でも 役の行者に 祈ったが 未だ 雨のあの字も無いそうじゃ」等 と 雨乞いと 水の心配ばかりを 話題にしました。村人達が 悲嘆に暮れていた所、ボロボロの法衣を 纏い 今にも 死にそうに 衰弱した旅の僧侶が、食事と一夜の宿を 求めて来ました。村人が「ご覧の通りじゃ  木の皮や 草の根位しかありゃぁしません  どうせ わし等ぁ このまんま 飢え死にするけぇ 存分に 食べなされ   わしらの命が 大小無ぇDe-syou-nee -toと 縮むだけじゃ   事態ぁちいとも変わらん」と 言うと僧侶は「有り難く 頂きます  わしは この旱魃を憂い、修業で得た術を生かせる 聖地を求め 諸国を廻っている所です  一飯Ippanを恵んで頂いたお礼に 私は ここに籠もり 人神交流の術を以て、妙見菩薩に 降雨を 膝詰談判Hizadume-danpanして 来て 進ぜよう  では、ここに 注連縄(Simenawaで 6尺の神域を 造って 深い穴を掘ってください  酒塩を供え 雨を給われと 北極星に 向かいて 毎日 半時Hantoki祈りなされ  私の術を信じて 田の整備 水道の掃除と整備 溜池の掃除と 整備を済ませなされい  私は鈴を 持って 飲食を断ち 日夜寝る事なく 菩薩に合えるよう 祈祷します  鈴が止んだ時は 私の魂が 妙見菩薩を 訪ね 願いが 届いたと思いなされ  亡骸Nakigaraは 唯の心の着物になっているので この場に埋めて下され」と 言って、鈴を激しく振り天まで届く程の音を上げ  一心に 般若心教を唱え 祈祷し続けました  この熱心な祈りに 村人は 自暴自棄から目覚め 農作業を再開し、僧侶の言い付け通りに 祈祷の成果を待ちました。

すると僧侶の鈴の音は ピタリと消え、北極星に向け 龍が上って行きました。村人が 駆け付けると 怪しげな魔物の足跡に 囲まれて、僧侶は快い笑顔を 残し 天に召されていました。村人は 未だに 雨を見ないのですが 一飯の恵みで 伸びた大切な命を 自分達のために 使い果たした 僧侶の徳に涙して 感謝し 丁重に 埋葬しました。すると 2日程後に 一天掻き曇り 待望の雨が降りました。その頃 大山原 星原 青木山 雨坪の田 本宮山 百々の滝 鳴滝 等で 雨乞いしていた地域にも 雨が降り、雨乞いの成功に それぞれの村人は 大はしゃぎしていました。「三谷陰地の村人のより口伝」を基にした物語    一心神門:木曾御岳の行者 (一心の神)の門人の意味でしょうか  三谷陰地 北緯34度54分52秒東経133度47分44秒    森清山三谷城:北緯34度54分51秒東経133度47分49秒    森清小森城:北緯34度54分59秒東経133度47分58秒   大山原大山堂:北緯34度51分35秒東経133度48分48秒辺りを中心とする河原で、お堂は北側の双葉保育園の園庭に 建ちます 明神山の尼子岩で 何度か千貫焚きが されたと「下加茂の村人」より 伝え聴きました 天津神社:北緯34度55分44秒東経133度48分38秒 天御中主命を祀ります 星原星見橋:北緯34度56分0秒東経133度48分42秒 星見岩:北緯34度55分50秒東経133度48分49秒近く  昔 星見岩の上で 天津神社の神主が司り 雨乞いをしたと「星原の村人」から 伝え聞きました 青木山素戔嗚神社:北緯34度53分31秒東経133度44分50秒付近  昔 素盞嗚神社の裏の青木山で 千貫焚が行われたと「富永の村人」より 聞きました 本宮山海神社と龍王宮:北緯34度54分13秒東経133度50分44秒 龍王宮では しばしば「雨を賜れ 龍王殿 雨を賜れ龍王殿」と 掛け声を 掛け 雨乞いをしたと「神瀬の村人」「三谷陰地の村人」等 から 聞きました 百々の滝・役の行者像:北緯34度56分31秒東経133度45分58秒杉谷の水神」 竹部鳴滝:鳴滝公園の中の北緯34度49分21秒東経133度46分33秒に鳴滝があります 雨乞いの行事が何度か行われたそうです  役小角の磨崖仏が 祀られています 船津鳴滝 :北緯34度56分10秒東経 133度49分3秒の船津鳴滝や 北緯34度54分53秒東経 133度50分11秒の神瀬地蔵滝で 何度か 雨乞いが 行われたと「神瀬の村人」や「下加茂の村人」から 伝え聞きました 天御中主命:最初に現れた神で、天の中心にある北極星と される神です  特別な 業績はありませんが、神々の最高神で 天候も支配します  妙見菩薩と 習合しました 妙見菩薩:北極星を神格化させた菩薩で 国土守護 除災 人の福寿 等が ご利益です  平成25年(2013年)4月14日