宮地大和神社    爪なし龍 Dragon lost a nail in Yamato-jinnjya shrine


大和神社拝殿向拝に 爪無し龍が 彫られています。名人の作だったらしく  夜になると 龍になって 遊び歩きました。昔 日照りの時、八幡池の水が 異常に早く無くなり 水田用水が 不足し困りました。「誰か 水を 盗んでいる」と 村中で 喧嘩Kenkaになったので 代り番に 八幡池を 見張ると お宮の龍が 忍び 水を ガブガブ飲んでいました。それで 宮司に 頼み 龍の爪を切ると、龍は 歩けなくなり 夜遊びが できなくなりました。「加陽町史」「宮地中の谷上の村のより人口伝」「吉備中央町の民話(1)」

 

爪なし龍物語 story of DRAGON LOST A NAIL

大和神社の拝殿の向拝に 爪無し龍が 吊るされております。どうも名のある名人が 彫ったらしくて、夜になると 龍になって 動き出したそうです。昔 日照りがあって、村の者は 田圃に引き込むために掘った 八幡池に 残った 少しの水を 分け合っていましたが、水の減り方が 速すぎるので 誰かが ずるい事をして 水を盗んでいるとして 村人は 互いに疑い  喧嘩になりました。それで 犯人を捜すため 代わり代わりに 八幡池を見張る事にしました。それでも 原因が解らず 水が減り続けました。「一人で 番をすれば 必ず眠くなり 寝ずに番をするのは 無理だ  その隙を見て 誰かがずるをしている」と、又も 互いを 疑い初めました。疑信が暗鬼を生み、いんちきができないように 番を 二人にしました。二人制なると 夜も寝ずに 番ができるようになりました。すると お宮の彫り物の龍が 本物の龍になって 忍び寄って来て 水を ガブガブ飲むではありませんか。村人は 宮司に頼み「あねぇな勢いで 水ぅ飲まれちゃぁ かなわん  龍が 歩けんように 彫り物の龍の足ぅ切ってつかあせぇ」と 頼みました。

「宮司はそんな事ぁあるもんか」と断り、真相を 確かめるため 番に 加わわりました。すると 村人の言う通り 龍が 水を飲みに来たのです。龍の姿が 不自然にならないよう 足の付け根を 切ろうとすると、龍の彫り物の目が きらりと光り 宮司を見下ろし、辺りに 霧が立ち込め 視野を 奪いました。宮司は 思いがけない恐ろしい光景に「ご祭神の多岐理姫命Tagiri-hime-no-mikotoと 市杵島姫命Itikisima-hime-no-mikotoが 龍を 護ろうとしている」と 怯え 龍の足を切る事ができませんでした。しかし 驚いて逃げる拍子に 誤って龍の爪を壊したのです。不自然に折れた 爪跡の始末に 悩んだ 宮司が 悩んだあげく『東叡山泉福寺Touei-zan Senpuku-jiで 龍の爪を 切り落とし 暴れ龍を 鎮めたとされる勇者が 偶然に 通りかかり、わしが苦労しているのを見かねて「わしが 退治してさし上げよう」と 申し出てくれた。勇者が 彫られた龍に 挑むと 霧と風が 起こり 辺りを 隠した。勇者が  太刀を 渾身の力を込めて打ち振ると、ガツンと 激しい抵抗があって 切れん。「霧に惑わされ 切り損なったかもしれない」と 思うたらしのだが、それは 恥になるので言い出せないでいた。

勇者は「社に居る龍は 硬くて切れないから 社から離れた時に 切ってやる」と 言って夜を 待って 龍が 現れ水を飲み始めたところで 切り掛かった。そうしたら 霧も 風も波も 起らず バキンと 何かを 切り落とした。龍はのたうちながら やっとの思いで 社に 逃げ帰り 動かなくなった。勇者は へたくそな切り方だったので 恥ずかしがり帰って行った。」と 村人に 嘘を付いたのです。夜が明け 皆が 集まり 彫った龍を 恐る恐る見に来ると 後ろ足の爪が 欠け落とされていました。村人は「切ったのは 霊力を司る玉を 持つ手でもなく、歩くための足でもない  これでは 龍の抜け出しを 止めさせられない」と 心配しましたが、爪が 折れただけで 龍は歩けなくなって 夜遊びを 止めたので 宮司の話しを 信用し 今日まで 語り継がれているのだそうです 。「宮地中の谷上の村のより人口伝」を 基にした物語 大和神社:宮地宮の谷 黒田 宮地宮谷445番地 北緯34度47分47秒東経133度45分7秒 埼玉桶川三田原の東叡山泉福寺:北緯35度58分54秒東経139度31分28秒 泉福寺の正門の竜を旱魃の時 寺の池に泳がせると 大暴風雨となり大洪水になりました  驚いた村人達は 竜の爪を切って寺の門に 金鎖で縛り付け 鎮めました泉福寺 | 地域資源デジタルアーカイブによる知の拠点形成のための基盤整備事業 (digitalarchiveproject.jp)」    宮地:宮地1番地     平成24年(.2012年)9月2