吉川布郡    腰折れ地蔵 Dizou-bosatu with broken waist

 川布郡Hugouriに 大理石製の 腰が 折れ2つていて 2つに 継ぎ合わされている 60cm位の大きさの 地蔵菩薩像が あります。働き者で 正直な老翁が 腰痛のため 起立も 困難な程でした。塩物断ちし この地蔵に「腰が 治るなら同じ 地蔵を 沢山造り 祀ります」と 約束しました。21日の満願の暁に 家の門まで 杖を付いてヨタヨタと 出てくると、石垣から 誤って 転げ落ちました。その拍子に 腰を打ち「とんだ 満願の日になった  ますます 腰の調子が 悪うなるぞ  腰折れ地蔵さん  お願いじゃけぇ わしの腰まで 折らんでつかぁせぇ」と ぼやきながら石組みに 手を掛け 垣によじ登るようにして立ち上がると、不思議な事に 腰痛が 治っていました。翁は 感謝し 嬉しくなり 沢山の地蔵を造り、腰折れ地蔵の横に 祀ったそうです。「吉備の伝説」

 


腰折れ地蔵物語 storyof  DIZOU-BOSATU WITH BROKEN WAIST

地蔵様にゃぁ 歯痛地蔵 耳地蔵 汗かき地蔵 等 色々の役目を持つ 働き者の地蔵がおります。しかし まじめに 人の苦しみや 悩みぅ 救ってくださ る地蔵様ばかりだけきゃぁありません。中にゃぁ 怠け者の地蔵が居たのです。怠け者の地蔵たぁ知らず お願い事をしても ご利益が 得られんので、地蔵様達全体の信用を 無ぅしたんじゃ。怠け者の地蔵に 業を煮やした 地蔵達ぁ「あの地蔵は 見掛け倒しの木偶の坊Deku-no-bouじゃ」と 言って連れのうて やって来たんですが、怠け地蔵は 頑固で 他の地蔵たちの苦情に 応じず 暴力を振るまったので 地蔵様達は 腰を痛める有様でした。そこで 皆は 総係りで「このごんたくれ地蔵 謝れ」と 怠け地蔵の頭を いちくりグイグイ押さえ付けて 謝らそうとしました。怒り狂った地蔵様達の勢いの 余しゅう喰うて 怠け地蔵の腰が バキ\ッと 折れてしまいました。他の地蔵様達にとって この成敗は良い腰の運動でしたので その拍子に 皆の腰が治りました。地蔵様達は「丁度 いぇぇ塩梅に腰が 折れたので  わし等の腰痛が治った  じゃから 腰痛の地蔵になりねぇ」と 言うていにました。怠け地蔵は腰が痛くて涙を流していると、腰が痛くて辛が(っていたお爺さんが通り掛かかりました。

腰の折れた地蔵が 涙をしているんを見て「腰が 折れた地蔵様が わしの腰の痛いんに 共感して 泣いて 憐れんでくれておる 有り難ぇ事じゃ  塩物断ちして 願掛ぇしよう  腰が 治ったら 地蔵を 仰山造り、祀るけぇ 腰を治してつかぁせぇ」と お願いしました。37日 丹精無二の祈願の21日の満願の日の朝、地蔵の前ぅ 痛ぇ腰ぅ 摩り摩りしいしい 杖ぅ付ぃ てヨタヨタ歩いていると 階段から誤って転げ落ちました。その拍子に 地蔵の頭に 手が掛かると、地蔵は 折れた腰の部分が 滑って 腰から上が かやり落ちました。その余しぅ食らって 腰を ぼっこう打つと「とんだ満願の日になった  ますます腰の調子が悪ぅなるぞ  地蔵さん  お願いじゃけぇ わしの腰まで 折らんでつかぁせぇ」と ぼやきながらも「わしは 腰が痛ぅて 転げ落ちた頭ぁ直してさし上げられん  これで許してくだされぇ」と 頭を地面に付け 何度も 何度も何度も 何度も 何度も 謝りました。石組みに 手をぇ掛け 立ち上がろうとすると 不思議な事に 楽に立ち上がれました。ペコポコ腰を 動かした事が  丁度良ぇ塩梅の腰の運動になったんで、腰が温まり 腰痛が 治っていたのです。翁は 感謝し 嬉しくなり 地蔵を直してやり 沢山の折り紙の地蔵をこさえ、腰折れ地蔵の横に 祀ったそうです。地蔵は 翁に 感謝された事が嬉うて、腰折れ地蔵と 名乗り 人々の腰痛の仏神になる覚悟ぅしました。せぇで  腰が折れていても にこやかな顔ぅしているんじゃ。 「吉備の伝説」を基にした物語  ごんたくれ:腕白坊主 余しを喰らうて:その拍子に その勢いで    連れのうて:連れ立って つかぁせぇ:つかわせ してください    ぼっこう:酷く 激しく    こさえる:作る    腰折れ地蔵:3軒7棟の布郡集落の一番上の棟 吉川 花尾乢h6390-2番地の近くに右に入る山道があるので 50m程進むと 鍵の手に折れ、それを曲がった所 北緯34度50分20秒東経133度44分16秒の右手    歯痛地蔵:円城新屋敷98番地の近くの左手 北緯34度53分26秒東経133度48分14秒に石の門がありその2本の石柱が山門になっていて、その土手の陰 すなわち土手の裏側    耳地蔵:429号線より毛氣神社に登る道の直ぐ先に斜め右に登る道があり、少し登ると左手右土手上 北緯34度54分15秒東経133度48分3秒    汗かき地蔵:吉川東苅尾1188番地 神護寺本堂内 北緯34度49分6秒東経133度45分2秒        平成23年(2011年)8月6日

 

腰折れ地蔵参詣後のお話 食い物の怨みは恐ろしい A grudge over food won't be forgiven easily

腰折れ地蔵の物語を 聞いた親子が 話をしていました。 子:そうかぁ 腰折れ地蔵さんは 悪さをした罰で 腰が折れたんじゃな  うちの婆ちゃんは 働き者じゃが ぼっこう腰が折れととる  なんか怠けて 地蔵様達に お仕置きされたんか。    父:それ それが それじゃぁ  わしが 子供の頃、新山の叔母ちゃんに 飴玉ぅ従弟共は 皆 貰うたんじゃが、わしゃぁ 婆ちゃんに言われて 薪Takigiい取りに 曽根ぇ行っとってなぁ わしに「渡しておくれ」と 言って渡された飴を 怠けて 婆さんが  わしに渡さんで こっそり食うたんじゃ  せえで 地蔵の罰う受けたんじゃろう  まだ良う覚えとる  あの時の事ぁ    子:「食い物の恨みゃぁ恐ろしい」と言うが、小めぇ事を 良う覚えとるのう  お父ちゃん  良う 見りゃぁちいとばぁ 猫背じゃのう  やっぱり父ちゃんも 怠けたんか    父:わぁ いのけた(びっくりした) お前…あの時 おばあちゃんに 言われたより 曽根から持って帰った薪ぁ少なかった  人間は 多かれ少なかれ怠け者なんじゃよ。  平成23年(2011年)8月6日

豊野 大平山 首切り地蔵  Beheaded Jizou-bosatu


大平山頂上付近の道脇 有漢町との境の有漢町側 正確ではありませんが

北緯34度53分54秒東経133度42分23秒と 思われる所に 首の位置で 割れた地蔵菩薩石像が 立っています。昔 何かの怨みを抱いたまま ここで野垂れ死にした者を 誰かが 地蔵を立てて供養したのですが、恨みが 強過ぎて あの世に行けず 夜になると 御崎の魂は 化け物になって 彷徨っていました。その化け物 御前が 竹荘から有漢へ越そうする人が 大平山頂上付近を 通りかかると 顔を覗き込み 風体を 改めたのです。御崎の怨みを 買った者ではないので これと言った被害は 無いのですが 化け物の出没には 村人達も 旅行者達も 困ってましました。ある 月の無い日に そんな事とは知らない勇猛な武芸の達人が 有漢のならず者退治に行く途中に 峠に差し掛かると 化け物が 突然現れ顔を覗き込んだのです。その武士は 咄嗟に化け物に 切り付けると  ガツンと 音がして 確かな手応えを 感じました。提燈の火も消え 暗闇の中で 情けある武士だったので 丁寧に読経して 足先で 道を探り探りして有漢に下って行きました。武士が 目的を果たし 元の峠に差し掛かると あの地蔵の首が 見事に切り落とされていました。地蔵の首は 憎しみを 湛え もがいていましたが、地蔵の首を直してやると 武士の持ち物をジッと見つめ それがならず者の首だと解ると 穏やかな 微笑みを保ち 動かなりました。それからは 化け物は出なくなって 平和になったとさ「太平山登山をしていた豊野の村人との雑談」   御崎:恨みを持って死んだ人の魂等  平成27年(2016年)12月12日