黒土 松屋の弓の名人Capital marksman with bow and arrow lived in matuya


昔、弓の名人が  黒土松屋に  いました。名人は  毎日 強弓を 引き  的山に 向け  鍛錬していました。鳥羽城の城主が その腕前ぶりを   親城の矢倉城の お殿様に紹介すると お殿様は 名人の技を一度位は見たいと 言い出しました。家来 に 弓の名人に「殿様の狩のお供をし そちの腕前を披露せよ」と 命令しました。名人は 殿様の お願いと知って  喜んでお供をしました。

狩場に着くと、鴨の群れが居ました。殿様は 名人に「鴨をできるだけ沢山捕れ」と 命じると、名人は「心得ました」と 引き受け「他の者は 静かにしていて、絶対に 何もしないように させてください」と お願いしました。殿様は 名人の言う事でしたから 家来達に「何もせず、音も立てるな」 と命じました。しかし名人は ただぼんやりと 鴨の泳ぐ 池を 眺めているばかりです。殿様も  家来達も  何かしようとすると 名人に静まるように注意され、面白くない時間を 欠伸Akubiと  眠気と闘いながら 過ごしました。延々と 待たされた 家来達の 不満を見て取った殿様は、怒らんばかりの形相で 名人に「早う狩を せんか」と 苦情 を言いましたが、名人は 目を合わせ「多少ねぇと(でぇしょうねぇと)待ってつかぁせぇ」と 願うばかりです。

殿様は不 思議がり 名人の眼を何気なく見ると その真剣な 眼光に 気が付きました。名人の視線の先を見て、殿様は 名人が 何で 何もしないでいるか その理由に気が付きました。殿様は 騒ぎ出しそうな 家来達に  目配せし、忍耐を求めました。家来達は 殿様の意味する所が解らず、不貞寝する有様です。殿様が「好機じゃ」と 感じた時、名人は 弓をキリリと 引き絞り  矢をヒュウと 放ちました。1本の矢で 5羽の鴨を  撃ち貫きました。勿論の事、他の鴨は 驚いて全部 飛び立ち 逃げて行きました。殿様は、名人の 経験深さに  感心し 褒美をやったそうです。 「黒土空の村人より口伝」一本の矢で多くの獲物を射る射手の伝説は「江与味の五葉猟師」等多くあります。

的山・鳥羽山・鳥羽城跡跡:黒土1147・1166番地等 北緯34度51分3秒東経133度42分20秒

松屋:黒土1491番地 北緯34度51分34秒東経133度42分2秒 的場:黒土1492・1535番地等 1517番地:北緯34度51分2秒東経133度42分0秒 鳥羽ノ鼻:黒土914-927・932-935・937・956・959番地 カモ田:黒土954番地  

平成23年(2011年)8月30日