権作爺と狸の友情 Friendship between Gonsakujii-old man anf raccoon dog


 百姓の権作は 種を 撒くと 烏(karasuが 穿ってUgatt食べてしまうので 困っていました。ある日  裏山の子狸が 迷って 権作の家のお墓に 迷い込んで来ました。お墓には 樒Sikimiの木が 植えてありました。樒は 仏様の木です。その香りは 狼や 野良犬が 嫌いなので 狼等に 墓場を荒されないようにするため 墓場に 植えられているのです。は 葉も 幹も 根にも 毒が有り、中でも 実は 一番危険です。樒の実は 菱Hisiの実を2個から3個 くっつけたような形で、剥くmukuと黄色い小豆Azukiと そっくりの形をした種が 出て来ます。

子狸は 菱の実が 食べられる事 小豆が 美味しい事を知っていたのですが 小豆が どんなふうに 実っているか知らなかったのです。 菱の実に 似た樒の実を 剥いた時 薄茶色の小豆そっくりの種が 出てきたので 熟れ切っていない小豆だと 思いました。それで猛毒である 樒の実を集め 皮を剥いて 小豆の様な種を 取り出していました。子狸が 一粒食べた時 たまたま 墓掃除に 坂を上って来た 権作爺さんが それを見つけ、慌て(awateて「毒だから 食べてはいけない。」と 教えてやりました。中毒して 苦しむ子狸を 権策爺さんは 家に運んで 手当をしてやりました。樒の中毒の特効薬も 特効的な 治療法はないので 腹痛があれば 腹を撫でてやり 下痢や 嘔吐があれば 口や 尻を洗って お尻や 口を穏やかに 擦ってやり 下痢や 吐き気が 治まれば 少しの水 を飲ましてやり 痙攣があれば 筋肉を揉んでやり 意識が 薄れれば額に手を添えてやり まさに問題が起こしている個所に 手当てしてやる事しかできませんでした。それでも 子狸にとって 手を 患部に当ててもらうだけで 不思議に痛みや 苦しみが 和らぎました。手当の甲斐あってか 子狸は 次第に回復しました。幼いが 故に 帰り道が解らず、止む無く 権作爺さんは 庭先で 暮させる事にしました。行方不明になった子狸を お母さん狸は 探し回り 権作爺さんに 飼われ 幸せに過ごしているのを 知りました。お母さん狸は 権作爺さんが種撒きに 出かけていたので 断りなしに 我が子を連れ戻しすと 子狸は 事の成り行きを お母さんに話ました。お母さん狸は 嬉しく 権作爺さんに 恩返ししようと 子狸に 権作爺さんが 困っている事が無いか 尋ねると 子狸は 権作爺さんが「種を蒔くと 烏が穿ってHojikutte食べるので 困っていると 呟いていた。」と 母狸に伝えました。

 

権作爺さんが 小豆の種を植えているのを見て その夜 狸のお母さんは 樒の実を小豆の種を 撒いた畑に 撒いたのです。悪賢い烏達でしたが  色も 臭いも 味も 上手に 小豆と同じに 変えていたので すっかり騙れさ 沢山 喜んで食べました。翌日 権作爺さんは 子狸がいなくなったので 心配し 探しながら 畑迄やって来ました。烏に食べられたであろう事を 覚悟しながら 小豆の種を 撒いた畑を 見ると 烏達が弱ってヨタヨタと 飛んで逃げました。権作爺さんは「狸が恩返しに  あの樒の種を 使って烏を 苛めてくれたんじゃろう。」と 思いました。狸の母子が 遊びに来るようになると それからは 権作爺さんの畑の樒にこりて 烏が2度と現れませんでした。目出度し 目出度し。「三谷野呂の百怪談」

樒:花や 葉 実 根 茎 全木に アニサチン 等の毒が 含まれています。特に種子には 多く含まれます。成人では 50粒程 誤食すると 軽い中毒症状が 出ます。それ以上の種を 食べた時の症状としては 嘔吐 腹痛 下痢 痙攣 意識障害 等で 時に死亡する事も 有ります。独特の香りを 狼 等が 嫌うとされ 墓場等に 土葬された 亡骸Nakigaraを 狼等が 荒らすのを防ぐと されます。 香料として におい成分が 利用されることがあります

樒の毒性と毒の成分 (wealthyblogs.com)」「シキミ - Wikipedia」      平成23年(2011年)8月13日

 

 

狸の恩返し repaying for kindness by Racoon dog

炭焼きを 生業Nariwaiとする夫婦が 山の中に 炭焼きの作業小屋に 泊まり込み 炭焼きをしていました。働き者の女房は 夜なべ仕事に カラカラと こ気味良い音をたてて 糸を 紡いでいました。すると狸が 沢山現れ その音に 合わせてポンポコポンと 腹鼓で囃し 踊りを踊りました。「可愛いのう。」と 夫婦は話合い  初めは楽しみにしていましたが、毎夜 毎夜 やって来て 糸紡ぎが 終わって 寝ようとしても 楽しくなったのか 腹鼓みを 真夜中まで続けるように なり ました「煩いのう。」と 話し合いました。ついに 我慢の限度を 超えた夫が「煩い。寝かしてくれ。 罠を仕掛けて 懲らしめてやる。」と 庭先に 吊るし罠を 仕掛けました。すると 女房が夜更けまで糸紡ぎをしていると バシッと 音がしたので 庭に出てみると 大きな古狸が 片足を 捕られ 宙吊りになって 哀れそうに女房を 見ていました。女房は 夫が 寝付いているのを 確認し「さぞ痛いでしょう。罠には 気を付けてね。あの人は あなた方を 殺そうとは 思っていませんよ。」と 優しく言って 罠を解いてやりました。古狸は お礼を 言いながら 後ろを 振り向き 振り向きしながら 山に帰って 行きました。夫が「狸の奴め。罠の綱を 噛み切って逃げおった。」と 残念そうに 振る舞うと 妻は「惜しい事を しましてね。」と 夫の心の底を 見抜いて 可笑しげに 笑いました。狸が 現れなくなると 夫婦は 無口な生活に 戻りました。冬になり 夫婦は 寂しく里に帰り 翌年の春になり 山小屋に戻って見ると 小屋の廻りに 狸の足跡が沢山あって しっかり戸締りしておいた筈の扉が 開いており 小屋の中には 山と積まれた紡がれた糸が ありました。不思議がる夫に 女房が 昨年の事を離すと 夫は「狸が 恩返ししたのか。 うれしい事をしてくれるのう。冬中 わしらのために 糸を紡いでいたのか。」と 狸に 感謝しました。その糸を 町に売りに行くと 人間離れした技術で 紡がれた糸は  飛ぶように 売れ 夫婦は 豊かになりました。古狸が 様子を見に来たのを見つけた女房は「あの人は あなた達が居ないと寂しいのよ。」と 言うと、古狸は 仲間を連れて来て 悪戯を し出しました。しかし 夫婦はそれを見て 見つめ合い 微笑み合い 愛おし気で 狸達の悪戯を 見ていましたとさ。狸の恩返し - 静岡県の昔話 | 民話の部屋 (minwanoheya.jp) 」 狸の恩返し:「www.niji.or.jp/home/dingo/rakugo2/tanuki.html」「www.home-nagahama.jp/kotoba/hanashi/tanukion.htm」「https://yamakowa.6ox.org/archives/1794

 平成23年(2011年)8月13日