モグラとお日様  Mole and the sun


 昔、とても我儘Wagamamanaな土竜Mguraがいて「昼には 太陽が 出ているので、背中が 照らされ 熱くて敵わん」と 苦情を いいました。土に 潜れば 良いのですが 得意とは言え 硬い土を 掘る作業を 面倒がりました。「なんとか ならないか」と 物知りの山田の案山子Yamada-no-Kakasiに尋ねると「萩 大木で 弓をこさえて 矢で射りゃぁ 良ぇが」と 教えてくれました。さっそく  天までも 届きそうな 萩の大木を 切り千鈞の強弓Senkin-no-goukyuuを作り、萩の大枝で 作った矢で 太陽を 射抜来ました。貴い弓で 射られると お日様に穴 が空き 中身が 抜けて萎んで  消えてしまいました。土竜は 涼しくなったので 大喜びし、自由に 気持ちよく 地面を思う存分に 散策しました。お日様は 穴を 繕い 中身を補う と 再び照りだしました。

プンプンに 怒っているお日様は 身勝手な土竜目掛けて 強い光を当てたので、土竜は 哀れにも 焼かれて死んでしまいました。仲間の土竜達は お日様を 傷付けた 土竜の仲間として、管理不行き届の罪で 共同責任を 問われ 地下で 生活させられました。それで 土竜は 太陽の日に 当たると死ぬようになったというのです。大木だった 萩は 土竜に幹や枝を摘ま(れたので 大きくなれず、せいぜい 2m位にしか 成長できなくなりました。太陽には モグラに 撃たれ 爆発した傷跡が 今でも 黒染として残ります。「村人口伝」太陽を射るモグラ」等よく似た者話が 各地にあります。

太陽に当ると モグラは死ぬ:実際は 太陽光に 当たるだけでは 土竜は 死にません  体温が上昇し過ぎる程 の太陽光に当たれば 熱中症をおこし 死にます。    千鈞強弓:大変重く 千人で 引かねば 引き切れないような強弓です 山田:山の田圃では ありません。田は区切られた地の意味で、山田とは山の中の地の意味です 山田の案山子:田の神  農業の神  土地の神であ る久延毘古Kuebikoの事、山の田の中に立つ シシオドシ(鳥脅し)の案山子では ありません  足が 悪く 一本足で 歩きますが、世の中の事 神の世界の事で 知らない物が無い程の 博学者です  ボロボロの服を 常時 着ているので崩彦Kuzure-bikiとも 呼ばれます。伊弉諾命が 妻に 追われて 黄泉の国から 逃げ戻った時に 使っていた杖を 投げだす と杖彦が 生まれます  杖彦が 訛つ て久延毘古に なったとも言われますhttps://ja.wikipedia.org/wiki/久延毘古」        平成23年(2011年)12月12日