下加茂 首折れ地蔵 Jizou-bosatu with broken neck


下加茂久西土手外1134番地付近 484号線の宇甘川寄り 北緯34度51分37秒東経133度48分54秒に 首の折れた地蔵菩薩が 祀られています。 交通安全の霊験があらたからしく 沢山のお賽銭が 捧げられています。また 愛宕山の麓 北緯34度51分30秒東経133度48分50秒に 宗林寺の首折れ地蔵が 祀られています。近所の石屋さんが 修理しました。   久西の首折れ地蔵については「昔 下加茂の村の人に 感謝されて居たお医者さんが 上加茂に住んで居りました。昭和初期の時代は お医者さんや お坊様 等に 振る舞い酒を 用意する事は 当たり前の習慣でした。ですから 下加茂の人達も 往診してもらった礼に お医者さんに 酒を振る舞いました。お医者さんは 喜んで 沢山Takusanお酒を頂き 馬に乗って 浮かれ気分の帰り道に 落馬し 死んでしまいました。患者さん達は お医者さんを悼み そこに お地蔵さんを 祀ってあげました。お地蔵さんは 酔っ払いが 前を通ると その人に〈危ない〉と 神通力を放ち 第六感に働きかけ ご利益を 発光していました。文明が進んで 自動車が普及する頃 上加茂に ウリウと言う開拓者が来て 山羊や羊を 飼いましたが うまくゆかず 大豆の先物取引に 手を出し 大失敗し 生活に困窮しました   酒に酔っては 地蔵の頭を叩いて不満を晴らしていましたが、ある時 ふらついて転ぶ と 地蔵を押し倒し 地蔵が岸下に転び  首が折れた」 伝えられています。その地蔵の首が 時々無くなり、数日後に戻るようになりました。ウリウが 亡くなると 昭和29年(1954年)頃 その息子は 親と同様に貧乏生活をしていましたが、この男も 貧乏を省みず 毎日大酒で深酔いし、近所の石材店に 貰い風呂に来ていました。ふら付きながらの手土産は 風呂敷に包んだ あの地蔵の首です  石材店は 宗林寺参道入り口の地蔵の首が落ちた時 上手に修復した事を聞いて 地蔵の首を直してくれと 絡んでくる癖がありました  貰い風呂させた後、石材店の主人は 地蔵のしかたなく 地蔵の首を 地蔵の胴体の上に戻していたのです。ウリウの息子の悪い癖が 治まると 首が前を向いて居たり 後ろを向いたりするようになりました。ある男は 法事の振る舞いの帰り道 飲酒運転し 地蔵の前で 自損の交通事故を起こすと「地蔵が 酔っ払い運転した事を見付けて 諌めた」と 思い、酒酔い運転する時は 地蔵の首を 後ろ向きに向けて 酒席に出かけ、帰りの酔っ払いの姿を見られないようにすると 偶然に 霊験あらたかだったので 酒飲みに行く時 その度に 繰り返し首の向きを変えたからです。  警察による 飲酒運転の取り締まりが 厳しくなると、酒酔い運転を止めたので この男による首のすげ替えも止みました 。「下加茂村人の村人口伝」 しかし著者は 平成24年に首が 後ろ向きが変わっているのを見ました。

 

首折れ地蔵物語 Story of JIZOU-BOSATU WITH BROKEN NECK

昔 下加茂の村の人に 感謝されて居たお医者さんが 上加茂に住んで居りました。昭和初期の時代 未だ自動車が 普及して居なかった頃は お医者さんや お坊様等に 振る舞い酒を 用意する事は 当たり前の習慣でしたし、お酒を飲んで 自動車を運転する事や 馬に乗る事を 警察が 滅多に 取り締まらなかったからです。下加茂の人達も 感謝していたので 往診してもらった礼に お医者さんの好きなお酒を 振る舞いました。お医者さんは 喜んで沢山Takusanお酒を頂き、酔いたん坊(ちどりあしになるほどのよっぱらい)になりました。馬に乗って 浮かれ気分の帰り道に 馬が 躓き落馬した時 地面が凍っていて 頭を強く打ち 死んでしまいました。患者さん達は 徳の高いお医者さんを悼み、そこに お地蔵さんを  祀ってあげました。お地蔵さんは 酔っ払いが前を通ると その人に「危ない」と 第六感に働きかけ ご利益を発光していました。

ある日 法事でお酒を沢山頂いた人が 地蔵の発行を 感じない程に酔って通り掛かり、 お地蔵さんの前に 有った石に躓き転び、弾みで 男が崖下に転び落ちそうになりました。倒れた男の重みをお地蔵さんが一身に受け 男の身代りに 崖下に転がり落ち、男が首を折る代わりに 自分の首を折ったのです。男は 命を助けてくれた お地蔵さんを拾い上げ、汚れた首を洗って 元の場所に祀り直し 大切にしました。ところが 時が過ぎその男が亡くなり 信仰を受け継いだ息子の時代になると 首が時々無くなり、数日後に戻る事が続きました。「この地蔵は 不思議な霊力を持っていて、時々どこかに出掛け 修行しているか 功徳を施している」と 村人は信じ 大切にしました。暫くすると地 蔵の首が前を向いていたり 後ろを向いたりするようになりました。村人は「酔っ払いの交通事故を 防ごうと見張っている」と 噂しました。警察が 飲酒運転の取り締まりを厳しくするようになると 首のすげ替えが止みました。地蔵の首の不思議 を気にしていた他の者が 時々地蔵の首を洗って前掛けを取り換え「飲酒運転をする者は 首を洗うて待てと の忠告している」と 噂を広げ、面白半分に首の向きを変えたり、見えない所に首を隠したりしました。その後もそれを引き継ぐ者が有って、今でも、首の向きが 違ったり首が 無い時が有aるのです。「下加茂村人より口伝」を基にした物語  平成24年(2012年)10月28日