捌重穂 Yarebou "yare-ho-no-sake:bloom ear of rice quickly"


かつて、吉備中央町の多くの農家で ヤレボウと言う行事が 行なわれました。ヤレボウは 1月11日に行う 農耕儀式の1つで 大鍬初OoKuwa-zome/ 百姓初 鍬初Kuwa-zome 牛の正月とも言います。正月11日等の夜が 白み始めた頃 糠NukaWaraや 餅Motiを食べさせた牛を連れ 苗代田Naesiro-daに行き 牛鍬で左回りに「の」の字(逆回りのの字・のの字の鏡文字)を 書きます。行き帰りに ヤレボウ ヤレボウ と叫びます。

出発が遅れると 農作業が遅れ 途中で牛が鳴くと 旱魃Kanbatuになると 言われます。ヤレボウは「八重穂咲けYaeho-sake。」の訛った掛け声で 五穀豊穣を祈る言葉であるとされます。著者の家では 昭和25年(1950年)迄 1月2日に行ったと 記憶します。また 牛に上等の藁と 糠を混ぜて作った餅を食べさせたと 記憶します。地域により ヤレボウの作法に 多少のバリエーションがあるようです。 左巻きの「のの字」を書く事は 注連縄Simenawa縒り方や 茅の輪潜りTi-no-wa-kuguriの作法 相撲の懸賞を頂く時の手刀( 稀に例外が有ります)のように 神様に 参る時の作法(左巻き 左回り)と同じ様に 神様に祈る意味を 持ちます。この世は 右巻きの世界で 神の世界は 左巻きです。この世での左巻きでは困ります。「矢掛町役場総務企画課商工観光係・電話:0866-82-1010」「矢掛町やれぼう伝承の会会長より口伝」 吉備中央町の現在では 農耕器具の普及により 農耕牛を 飼う者は 皆無にとなり ヤレボウを 伝承したくてもできません。    捌重穂:やれぼうと読みます (ハチ ハツ ベツ)の意味は「さばく:2つに分ける」「はく:滞り無く進行する」で、捌重穂は「順調に 穂よ 重く成れ。」の意味でしょう     平成26年(2011年)11月13日

 

左巻きの旋毛 Left-handed spiral  whorl of hair


幼稚園である男の子が お友達達に「お前の旋毛tumujiぁ 左巻きじゃけぇ 馬鹿じゃ。」と からかわれました。男の子は 悔しくて 泣いて家\に 帰りました。話を聞いて お父さんは「我慢せぇ。」と 慰めるだけでした。

お爺ちゃんが 騒ぎを聞き付けて「左巻きゃぁ 神様の旋毛巻き方じゃけぇ そりゃぁ褒められたと思いねぇ。この前の茅野輪潜りをした時に 先に左に回って潜り その後で 右に回って神様にお祈りしたじゃろう。ヤレボウの逆の「の」の字を覚えておるか。お相撲さんが 懸賞をもらう時も 最初に 左に手刀をするじゃろう。第一水道の栓も 瓶の蓋Bin-no-Hutaも 左に 廻さなければ 水は出んし 中身を取り出せん。旋毛も左に回っとらんと 知恵は出んのじゃぞ。良う見い。 爺の旋毛も 左巻きじゃ。お父は右巻きじゃ じゃけぇ お父は ありきたりの事しか教えられんのじゃ。自信を持ちねぇ。」と 言いました。お父さんも 不満ありげでしたが「そうじゃ。そうじゃ。 明日りぃ友達にそう言ってやりねぇ。」と 子供を嗾掛けKesi-ksakeました。翌日 幼稚園の手洗い所で 友達と水道栓の事で 言い争いをしている男の子を見て 先生は「この子は 天才かも知れん。」と 思ったそうな。「著者の知人の体験」を 基にした物語      左巻き:神道の髪型の巻き方が 決まっていません 。仏教の多くの如来の螺髪Rahatuの殆どは 右巻きで 人を超えた智恵 徳や 悟りの高さの象徴です。それで知恵の回らない人を 左巻きと言いますが 人の旋毛の多くは右巻きです。 有名な例外は 鎌倉の大仏の螺髪で 左巻きです。鎌倉大仏造像の謎 - 2 - 神奈川 - Japan Travel」    手刀:力士が手刀は 右手 で左 右 中と 順に切り 矢や懸賞金を受けます。左は 神産巣日神Kamimusubi-no-kamiに 右は 高御産巣日神Takamimusubi-no-kamiに 中は 天御中主神Ame-no-minakanusi-no-kamiに 敬意を示して 行いますsci-tech.jugem.jp/?eid=2357」 平成26年(2011年)11月13日