西 大和小学校の三つの太陽 Three suns at Yamato-elementary school

昭和4年(1929年)頃の1月7日の雪の日に  大和小学校の生徒が 三つの太陽が 出ているのを発見し大騒ぎになった。「大和村史・三陽様」


大和小学校の三つの太陽 THREE SUNS AT YAMATO-ELEMENTARY SCHOOL

昭和の初期、大和小学校に 堀口と言う先生がいました。とても信仰深い人でしたので 学校に行く前に 大和神社を 参詣し 神前を 清めていました。勿論 お祭りには 先頭に立って 肝煎Kimoiriを 務めていました。昭和4年か5年の頃の1月7日の雪の日に 明日から 始まる 3学期を 前に 子供達に 風邪が 流行らず 過ごせ 学業成績が 上がる事を 祈願しました。とても寒い日だったので「こんなに寒いと 風邪が 流行り 子供達が苦しむかもしれない」と心配し、なんとはなしに「冬のお日様は 弱弱しい  この寒がさが 暖かくなるには 3個の太陽が 必要じゃ  そうなれば 子供達が くつろげよう」と 思ったのです。その思いを 察したご祭神の 多岐理姫命Tagiri-hime-no-mikoto市杵島姫命Itikisima-hime-no-mikotoは「あんなに 信心深い人は 見たことがない  ぜひとも 願いを叶えて上げたいものですね」「でも私達は 海や霧を司れるけれども 太陽は 増やせないわ」「どなたかに 相談しましょう  太陽の神の天照大神Amaterasu-oomikami様かしら」「天照大神 様は 太陽を造れないわ  造化三神(Zouka-sansin様達にお頼みしましょう」と話し合い、天御中主神(Ame-no-Minakanusi-no-kamiに お願いすると 高御産日Taka-mimusubi-no-kamiと 神産日神Kami-musubi-no-kamiを 呼び出しました。日頃から 何もする事がなく 暇を持て余していた神々は 美しい女神達のたっての願いを 受けたのですから大喜びで「お引き受けしましょう  あした大和小学校の児童達を 喜ばせます  久しぶりに腕が なります」と 快く引き受けました。穏やかな 日和になった 翌日、朝礼を 前にして 校庭に居た 児童達は 太陽が3個も上ったのを見つけ「お日様が3個も出ている」と 大騒ぎになりました。心当たりのある 堀口先生が 校庭に出てみると 大和神社の建つ 東の方の低い空に 虹の輪に囲まれた太陽が 水平に 長く棚引く光りの線で 3個も 連なっており、左右にも 丸い虹の輪があり、虹の色も 普通の虹の色の配列と 反対の配列をしていました。自分の不埒\Huratina思い を願った事の結果に 驚いた 堀口先生は 大和神社に走って行き 宮司に「太陽を元に戻してください」と お祓いを お願いしました。大和神社から見ると 太陽は 一つしか ありませんでしたが 宮司と先生は 玉串と 注連縄Simenawa御幣Gohei 等を持って 学校に来てみると、騒ぎを 聞き付けた村人達が「天変地異じゃ 太陽が3つになれば 天から干しになる」「三宝荒神が 祟っている  この年はガシンじゃ」「八幡三神じゃ  戦じゃ」等と 大混乱となっていました。賢い神主は「誰か 不埒な願いをして 神は 荒魂になられた  太陽を増やせるのは お隠れになっておられ i造化三神様しかいない」と 振り返り 村人を 見渡すと、堀口先生が 日に照らされ 体中が 真っ赤に染まっていました。神主は 堀口先生に 注連縄を掛け、御幣を着け、玉串紙垂Sideを 翻させ 神の祟りから護ろうとしました。神々は「予期せぬ事に 子供達を 怯えさせてしまった  神主は 我等の仕業Siwazaであると 見抜いた。そればかりか 誰の願いかを も見抜き、その者を 罰するのでなく 護ろうとしている」「慈愛と言うものを持っている あのように 賢い神主がいる事を 知って安心した」「我等も 神の中の神である 事を忘れて、神としての 威信を地に落とす 過ちを起こす処であった」と 話し合い、本来の太陽の神である天照大神を 前面に押し出して 偉大な光を放たせ、3個の太陽に 化身してい た造化三神は その光の陰に 隠れ最後には 何処かに去って行きました。すると村人は 宮司の威徳に 感謝し 大和神社を敬いました。「大和村史・三陽様」「村人口伝」を基にした物語  大和小学校:西濱田205番地 北緯34度47分41秒東経133度41分19秒    大和神社:宮地宮の谷445番地 北五34度47分50秒東経133度42分7秒    天御中主神:この世に 最初に現れた神  高天原の最高司令の神 宇宙の根源神 天地創造の神 国土守護の神 寿命の神です  女神でも男神でもありません 造化三神:古事記では 混沌の世界に 最初に 天御中主神が現れ、次に高御産巣日神と神産巣日神が現れたとします  この三柱を 造化三神と 総称します  天と地と神の元を 作ったのでしょうが、神話に 殆ど登場しません  八幡三紳:応神天皇、応神天皇の父神仲哀天皇、応神天皇の母神神功皇后Jinguu-kougou あるいは応神天皇 比売神 神功皇后3柱の総称で武神等として信仰されます    高御産日神:天神地祇の祖神 生命の本源神 高天原の根本神 天地造化と万物生成の根本 神 高木生産紳です    神産日神:出雲の根本神 天地造化と万物生成の根本神 生命の本源神です 創造の神である高皇産霊神と対になって 男女の結び神で、少彦名命Sukuna-biko-na-no-mikoto)の母です。 ガシン・餓死ん:大飢饉

 幻日GGenjitu 幻月Gengetu:太陽や月と 同高度の高さで、遠くの空の太陽や月を 見る時 起る大気光学現象です  多くの場合、幻日は 太陽から約22度 水平方向に 離れた位置に 見えます  雨の後の 風が 穏やかな時 に雲の中に 六角板状の 氷晶ができ、地面と ほぼ水平に 浮かぶ時に 起ります  この氷晶が 60度の プリズムと 同じ様に働き、一側面から 入射した 太陽光が 別の側面を 挟んだ 側面から出る時、屈折された 太陽光は、太陽から約22度離れた位置から やってくるように見える光 が最も強くなります  太陽高度が 61度よりも高い場合には、幻日は 見られません。氷晶の並びが 水平から 少しばらつく場合、幻日の上下に 光が広がります 氷晶の 屈折率は 光の波長により異なるので、幻日も 虹のように色別れし太陽側が 赤色、太陽から遠い側が 紫色と成ります。https://ja.wikipedia.org/wiki/幻日」   平成26年(2014年)9月17日