宮地 南谷薬師堂 Minamitani-Yakusi-dou temple hall


松山藩の家老の水谷勝重は 武術に長けていました。南谷に 狩に来ると 美しい鷺Sagiがいたので、近くの薬師堂参って「薬師に 霊験Reikenがあるなら あの鷺を 捕えさせ給え」と 祈願し、部下に 捕まえさせようとしました。見事に 部下は 鷺を捕まえたので、家老は 仏の霊験に 崇敬Suukeiの念を持ち、法華経8巻と 経箱を寄進しました。「吉備中央町の民話(1)」「村人口伝」

 

狩下手な殿様 LORD WITH POOR SKILL OF HUNTING

備中松山藩の家老・水谷勝重は、頭脳明晰Zunou-meiseliで武道に長けtakeていました。ただ、弓の技術は5歳の子に 劣る程に 下手だったのです。しかし 狩り好きで 暇さえあれば 狩りに出かけました。当然、猟果は 上がりません。何も 捕れないと、機嫌を 損ね、政務に 支障をきたす程だったので、家来衆は 困っていました。ある日「狩りに行きたい」と 言うので、家来衆は豪渓Goukeiに お連れしました。猪は逃がす 狐は逃がす 兎も逃がす。この日も 何も取れず、機嫌が 悪くしました。ふと 岩を見上げると その巨岩が自分の顔が 魚を抱いた猫の頭や  大猿の頭に 乗っているように 見えたので「猫の額程の狭い度量か 猿の毛の一本か」と 暗示されているように思い、不貞腐れHute-kusareて 帰りかけたのです。すると家来が なだめるように「この先に 南谷の薬師堂が あります  薬師如来様のご加護を お受けなさってはいかがですか  この先に田に 白鷺)がおります  白鷺は仏神のお使いです」と 申し出ると、家老は「ならば、お前 捕toraまえて来い   白鷺に 頼みを言い含め、狩りが上手になるよう 仏の加護を 得よう」と 渋々応じました。

家来は「良いお考えです さすがに 勝重様です それでは 私が 捕まえてまいりましょう」と 田に入り あっさり白鷺を 捕まえました。勝重は 家来の能力を 褒めながら、自分の 狩りの能力の無さを恨みました。そこで 家来の勧めに 応じ、鷺を仏神の使いとして 薬師堂を 参詣しました。家老は「薬師瑠璃光如来様 諸根具足 除病安楽 安心正見 苦悩解脱 徳を我に与えたまえ 生まれつき下手な弓の腕前を上げさせ、苛立つ性格を直し 精神的苦痛を除いてくだされぇ」と 祈願すると、家来は「なんと 身勝手な願いをするものじゃ」と 思いながらも「必ずや 仏様は願いを叶えてくださいます」と 仏に深々と 頭を下げました。家老は「そうか  これで 狩りの腕が 上がろうかのう」と 不安げに問うと、家来は「勿論で ございますとも  仏のご加護が ございましょう」と 自信ありげに答えました。それからの狩りでは、獲物がすぐ近くにいても逃げず簡単に 射止められ、家老の悩みは 消え失せ 政務も 捗ったhakadottたそうです。家老は 仏の霊験を 崇敬し、法華経8巻 と経箱を 薬師如来堂に寄進しました。実は、家来達は あらかじめ獲物を捕らえ 逃げられないようにしておいて、家老に 狩らせたのです。吉備中央町の民話(1)」を基にした物語です。宮地薬師堂の項目を参照ください。

諸根具足:生まれつきの障害や病気 除病安楽:病気や身体的苦痛を癒し、困窮や 苦悩を 除く努力の助け 安心正見:一切の精神的苦痛や 煩悩から 逃れようとする 努力の助け 苦悩解脱:重圧を 跳ね返そうとする努力の助け 南谷の薬師堂:総社賀陽線(57号線)を「西」の大和郵便局から 豪渓に向かい 南谷 岨谷上方面に 曲がり 岡山道に 沿って進み、岡山道を 潜ります。それを潜ると 右にカーブし、岨谷や 南谷上へ向かう道と 分かれる T字路があります。南谷上方面に 進むと 右手 北緯34度46分46秒東経133度41分53秒に 薬師堂が建っています。改修されたばかりで、美しい姿を しています。ぐんぐん 左左へと 進み、大きく右カーブし 道なり に進むと57号線の 中の谷入口に出ます。

豪渓の奇岩:北緯34度45分22秒東経133度42分16秒  豪渓の岩を 管理事務所の前から 見ています。中央の最上の岩塊は 髭Higeを蓄え 帽子を被ったお爺さん(Ojii即ち-san 家老)に見え、お爺さんの下の岩塊は 猫の頭に見え お爺さんと 離れて 右の岩の突起は 猫の耳に見え その右手側は 猫の胴体に 見えます。則ち 猫の額に お爺さんの頭が 乗いるように 見えます。猫の右目を 口とし 猫の耳の中央を 目として見ると 猫の背が 魚の胴体に見 え全体で怪魚に 見えます。猫の両目を 目として見 その下の 左斜めに下がる岩を 鼻に見立て その下の横に伸びる亀裂を 口に見たてる と全体 で大猿の顔に見えます。  平成23年(2011年)8月16日

 

宮地 頭の神様 Buddha of wisdom

岡山自動車道を 大畑橋で 跨ぎ、東に 向かい 新見と南谷の境の峠  宮地南谷2978番地の北東 宮地南谷3001番地の北 サァノキと 地元人が 呼ぶ所の椿の木の側 北緯34度46分57秒東経133度42分3秒に台座を 備えた 延命地蔵が 祀られています。そこより 西に少しばかり向かった所 宮地南3004番地の東北に 石グロが あります。ここに 南谷と新見の境のサイの神が 祀られるのでしょう。この地蔵は 頭が良くなるとして 崇められていて時々人が参詣するようです。昔 お伊勢参りした人が 頭痛を伴い 死ぬ程に 衰弱した時、道端に 立っていた この延命地蔵を 拝んだ所、忽ちに 頭痛が治まり 食欲元気が 回復したのでお詣りの帰りに 持ち帰って ここに祀ったそうです。昔の日本女性も男性も力持ちだったと 言われますが こんなにも重い物を どうやって 伊勢から運んだ と言うのでしょうか。

延命地蔵:特に 延命の功徳を 強調した 地蔵菩薩の変化身です。すなわち 延命 利生Risyouを誓願する 地蔵尊で、生まれた子を 守り寿命を延ばすと言われています。後に 短命 若死にを 免れるため信仰されたました。https://kotobank.jp/word/延命地蔵」 才の神:村や部落の境に 祀られれ 邑外から 侵入する病気や 敵兵等の 邪悪なものの侵入を 防ぐ神 https://kotobank.jp/word/塞の神」  平成29年(2017年)6月8日