三谷 竈の神様有難う Thank you,God of furnace "Hettui" 16px


昔 加茂の里に 仲の良い5歳の男の子と 女の子がいました。男の子は5人の男兄弟の末っ子でした。女の子は 分限者Bugensyaの一人娘で 気立てが 優しく 料理好きでした。男の子が 兄達に苛められると 励まし 腹を空かしていると お握りを作って 持って来てくれました。ある日 二人は蛍狩りに出かけ 男の子が 誤って 野壺)に 片足を 落としてしまいました。悪臭が 漂うのですが 女の子は 川に男の子を 連れて行き 洗ってやりました。男の子は 嬉しくて涙が 出ました。その涙の意味が 解って 女の子は 男の子の お嫁になりたいと 言ったのです。男の子は 頷き 手を取り合いました。秋祭りの日に 隣村の三谷森神社の盆踊りに 出かけました。近所の人 に見られないようにし 二人で いたかったのです。ピーヒャララドーンドーンと 笛太鼓の音が 二人の気持ちを 盛り上げてくれました。拝殿に2礼2拍手1礼をして 二人は 将来結婚しよう と誓ったのです。その後、男の子は 口減らしのために 町に 丁稚奉公Detti-boukouに 出されました。奉公は 厳しく 1人前になる迄は 里に返してくれません。真面目に 学び 働いて15年程過ぎた頃 若番頭になりました。店の主人は 里帰りを許し 里に小さいで店を建て 暖簾分けしてくれました。男が 出世を 報告しに女の子を 訪れると 女の子は 絶世の別嬪Beppinに 育っていました。村の若い男達が 取り巻き、恋を熱く語っているのです。男は臆しましたが 勇気を出して 女の前に 進み出ると 女は「あら お久しぶり しかしちんちくりんに 育ったものだねえ」と 言って 相手にしてくれません。子供の頃であれば 貧富の差等 関係ありませんが 大人になり 家柄や 打算が関われば 純愛という訳には いかなくなるものです。金持ちの上 美人であれば 天狗Tenguになって 当たり前です。男性的な 魅力に欠けるのですが 男には 賢い一面もあったので「昔の優しい姿が 本当の女の姿で 今の女は荒神に 祟られているだけだと信じ 昔の女の子のように戻ってくれる事を 荒神に 祈りました。

女は 言い寄る男達の機嫌Kigennを 取ろうと 美味しいoisiiお弁当を作ろうと 竈Kamadoの前 に立ちました。かつて お握りを 頬張り喜ぶ 男の顔が ちらりと 頭を過)ると「あのお馬鹿  あんな不細工な癖して 私を 口説けるとでも思っているの  昔の結婚の約束等は 糞喰らえよ」と むかつくのにまかせ 思わず 唾Tubaを 吐いたのです。唾は 悪い事に 竈の荒神の火伏札に 掛かりました。再開の時の悲しそうな 男の顔を思い出し「ハハハ」と 高笑いすると 腹に力が入り はしたなくも 屁を国と 屁は竈を 直撃しました。すると空は 一転掻き曇り 竈が 赤く輝き 激しい痛みが 女の顔を襲っ(たのです。家の外に逃げ出すと 外は 大雨で 冷たい雨が 痛さを 和らげてくれました。不浄を受けた ヘッツイの荒魂が 雷(Ikadutiを 再び 見舞ったので  の大杉 が 青く光り 轟音に 叩かれ 女は 失神しました。暫くして 女が 目を覚ますと、男が 家にいて 甲斐甲斐しく 治療を してくれていました。傷の痛みが 消える頃 男が 顔の包帯を 外してくれました。竈の前に立ち 揺える手  柄杓に汲んだ水鏡を 恐怖と言う 好奇心の後押しで 覗くと その顔姿右半分が 焼け爛れた お岩さんの様に なっていました。ちょっと前迄 鏡を見て 自分の美しさを 確かめる事が 毎日の楽しみだった 女にとって それは絶望的な姿でした。女の予想通り 言い寄る男は 一人も いなくなりました。落胆の日々は 痩せ細らせ 皴を 作り ますま す無残な 姿に変えてゆきました。親戚の者も 村人達も 距離を 置いて行く中で それでも 小さな雑貨屋を 営みながら 寄り添う みすぼらしい男の姿は そこにあり 続けたのです。この奇妙な 関係の中に 女は初めて 本物の愛を 感じ「愛は 自然に 出向いて来てくれる物でもなく 努力しても 得られる物でもない  愛は目の前にしかない」と 気付いたのです。次の日から 女は 男の仕事を 手伝うようになり 男の愛を なんのこだわりもなく 受け入れていたのです。二人は それぞれの理由で ヘッツイの荒神様に 感謝し 諸々の産土の神々を 大切にし 暮らす事にしました。「三谷野呂の百怪談」

11月の寒い朝 男の家では 女が 近所のご婦人 に指図をして料理を しています。荒神田で 作った米や 野菜を使って 寿司や煮しめや 丼が 用意されました。午後になると 皆は 男の家に 集まって来ました。まずは 冷酒で場を 締め 神主が 家内安全 五穀豊穣の祝辞を 述べ その後 酒盛りが 始まりました。酒宴の盛り上がると 男を先頭に 小祠(を持って 荒神様に 参り 神主を先頭に 神様に家内安全 五穀豊穣を 祈願しました。再び 男の家で 酒宴が 進められ もうこれ以上飲めない程に 酔う頃に 当指が始まりました。神主の 左手の懐のお玉(紙を丸)を 次々と 荒神様の氏子が 引いて行きます。当たり籤が 引かれ 来年の当屋(祭りの当番をする家庭)が 決まると 当屋渡しを 取り交わした後 当屋送りをしました。幟を立て 太鼓を叩いて 小祠を 次の当屋へ 送り届け 茶菓子 が振る舞われました。 二人は 信心深い生真面目さを 評価され 大切な村人の一員として 認められていたのです。当屋の大役 を 無事に果たせた事に 荒神様に感謝し 幸福感を味わいながら 手を繋いで家路に向かいました。氏子達は しっかり者で 料理上手の女を 嫁にした男を 羨みました。  ヘッツイ様:ロックウサン 土公神Kudo-no-kami 竈の神 荒神田:荒神祭に 行う米を 栽培する田 大坪の下から3段目の田 北緯34度54分13秒東経133度47分27秒 平成24年(2012年)1月7日

 

三谷 日名 ロックウ様有難う Thank you,God of furnace "Rokkuu"


 昔 昔 音五郎と登免Tome言う 名字帯刀が 許されていた夫婦が おりました。その家では 男は15人 女子Onagoも15人もの 大家族で 下女 が一人働いていました。下女は 働き者で 時を惜しんで 竃や風呂仕事をしていたので 顔は 煤で いつも汚れていたので 皆は「灰神楽」と 呼んでいました。音五郎の長男の澄彦は「気に入った娘はおらん」と 言って 嫁を取らないでいました。ある年の正月の 澄彦の初夢に 竈の神様が 現れ「お前の嫁は このわしが 世話してやる  わしを一番大切にしてくれる 娘じゃぁ  これがその娘じゃ」と 娘の姿を見せて  笑って消えてしまいました。

音五郎は 高齢を理由に この年から澄彦を 家長として 正月を 迎える事にしました。澄彦は 夢を信じて 一番鶏が鳴くと 飛び置き 元旦の行事を済ませました。大晦日を寝ずに過ごした者達は 次々に若水で 顔を洗いました。いつもの年であれば 家族と奉公人は 別々に 朝祝いをするのですが この年は 澄彦の「村中の娘の美人較べをする」と の発言で 皆で 一緒に朝祝いを する事になりました。村の女達は「嫁選びじゃろう」と 沸き立ち 化粧 着飾ったので 男達も 興味津々 心を躍らせました。その頃 灰神楽は 豆餅を 年神とロックウサンに 供え 澄まし汁の雑煮の用意を していました。湯餅は 歳の数だけ用意するので 音五郎の場合 46個の大豆位の大きさの湯餅に しなければいけないので 手間が かかりました。朝祝いが 終わると 皆が 待ちに待った 美人比べが 始まりました。女達を 立ち並ばせましたが 皆 厚化粧だったので 澄彦の夢の中の娘は 誰だか 判かりませんでした。皆が 騒ぎ 美人比べが 仕舞になると くたびれて 寝正月が 始まりました。澄彦は 氏神に 初詣しながら しっくりしない気持ちで「あれは やっぱり 唯の夢じゃた」と 諦めようとしましたが、なぜか 諦め切れませんでした。

正月2日 から14日の正月行事が 終わると 澄彦は「正月行事は 今日で 終わる 初夢は 正夢じゃあなかったか」と 福娘は見つからなかった事を 嘆きました。気落ちしながら正 月の寒さをしのごうと 竈の火に当たりに やってくると 竈は ピカピカに 掃除されていました。竈に 手を添えると 暖かく 冷え切ったお尻も温めようと お尻を竈に乗せると 薪Takigiを 抱えて 灰神楽が 戻って来て いきなり澄彦を 突き飛ばし「若旦那様  オクド にお尻ぅ 乗せると 竈の神様に 祟られましょう  近所の沢口さんの息子さんが 竈ぅ 踏んだ時にゃぁ 足ぃ 蛇に 咬まれんさった  奥さんが 泥手で 竈ぅ汚した時ぁ 指に 怪我なさった  沢口さんが 塵Tiriぃ 掛けた年にゃぁ 不作で税金も納められんでしたろう」と 言って激しく 頬玉を どやしました。澄彦は 父親にも どつかれた事が なかったので一瞬 業が湧きましたが 灰神楽の真剣な目を 見て「なぜわしゅう いきのうどやすんか」と 尋ねました。灰神楽は「うちの大好きな若旦那が 竈の神様に 祟られて宇喜多さんみたいに 尻蓮にでもなって 死んでしまう位なら 叩eて叱られてぇて叱られて この家から 追い出される方が よっぽどましじゃ  竈の神様を 怒らせんよう お諫めしたんじゃ」と 答え 体を引き攣らせ 泣きじゃくり 始めました。涙と煤Susuで 顔は真っ黒になりましたが 眼Manakoの中の円らな瞳を 見た時 澄彦の胸は キュンと 何かに 突き刺さられる 感覚を覚えました。

「そうじゃたのか  小汚いすばろうしい成りを しているんで この竈係りが おなごである事ぅ 忘れとった  神様ぁ 確か 一番神様ぁ大切にし 自分の一番近くにいる と言うとったような気がする  それにこの瞳は あの夢の中の娘の物じゃ  頭ぁ 地べたに なすり付けながら わしのために 竈神に 許しを 請うてくれておる  わしの時間割を 管理し 段取り良く 準備してくれていた羽んは 灰神楽じゃぁ  いつまでも わしの側に いてくれぇ」と 心の中で叫びました。抱きしめてやりたかったのですが 涙腺が 重くなったのを 見られるのが 恥ずかしかったので 人の居ない所に 走って行きました。その日の夜 澄彦は 両親の前に出て「灰神楽を 嫁にしてくれぇ」と お願いいしました。音五郎は「どこの馬の骨か解らん者を この格の高い家に 入れる訳にゃぁいかん」と 反対し 登免も「父親にも 手を 挙げられかったお前に 頬玉 がまちゅうどやしとったじゃぁないか 」と 強く反対されました。 

翌日から 灰神楽は この家から 姿を消し 澄彦は 病の床に 着きました。祈祷師に 頼んでも 治らず、灰神楽が 居いなく成っってからは この家の竈は 汚れ始め 料理の味が落ちたので 食欲も なくなりました。奉公人や 客は「澄彦が ガメてきたんは 神の祟りじゃ」とか「狐に憑かれた」とか  言って 気色悪がって 家から 離れて行きました。医者は 呼ぶ頃には 竈は 埃まみれで 家も傾きかけました。老夫婦は 世を儚んでhakanande 澄彦を 道ずれにして 自殺しようと 首吊りに良い所を 探しました。竈の上に 太い都合のよさそうな梁が 有りました。二人は「あれに綱を渡し 首にかけ 竈から飛び降りよう」と 相談しました。しかし「余りにも 竈が 荒れとる  この汚いまま 残して死ぬるのは ふうが 悪い  竈ぅ 今夜は 掃除して 死ぬのを 明日にしよう」と 気が合って 竈と汲川を 綺麗に 掃除し 清々しい気持に 戻って 寝ました。そうしたなら 音五郎の夢枕に 竈の神が 現れて「久っさぶりに 気持ち良ぇ  灰神楽が 居った頃ぁ天国じゃった  灰神楽ぁ 呼び戻してくれんか  そうすりゃぁ 澄彦の病気も 治ろう」と 告げました。登免の枕元には 水神が 現れ「灰神楽が おりゃぁ 稲も野菜も良く育つ  良い子も生まれ 家も 又 栄える」と 告げました。二人は 早起きし 同時に「死ぬのは止めじゃ  灰神楽ぁ 呼び戻そう」と 言い 灰神楽を 呼び戻しました。すると 竈の煙が 元気よく立ち上り  家の中が 急に明るくなりました。灰神楽が 粥を こさえて 澄彦に 持って行くと あら不思議 澄彦の死んだような眼の光が 輝き出し 食欲も 戻り みるみる元気になり 働けるようになりました。それを見て 逃げて行った奉公人も 戻って来 客も 訪ねて来るようになって 家は また栄え始ました。そんな訳 で音五郎と登免は 喜んで澄彦と灰神楽の結婚を 認めました。灰神楽を 風呂に入らせ 煤を洗い落とさせ 髪を結わせ 綺麗な着物を着せて見ると まあ 灰神楽の美しい事  美しい事  神楽のお姫様のようでした。3人は「灰神楽と呼ぶのも 何じゃ  ほんまの名前を 教えてつかあせぇ」と 尋ねると、灰神楽は「宇免Umeと 言います」と 答えたんじゃ。音五郎と登免は「澄彦が お前を嫁にしたいと言う  承知してくれるか  どうかわしらのした仕打ちを 許してくれ」と 言いました。勿論 宇免は 目に嬉し涙を 滲ませ こっくりと 頷き、咽ぶ声で「こんな身分違いの女子でも 構わんのですか」と 答えました。音五郎と登免は「夢の様じゃ  わしらと澄彦の見た正夢じゃ」と 微笑みました。めでたしめでたし。「澄彦と宇免は こんな面倒な 恋愛で 結ばれたのではありません  当時の結婚は 家柄が 重視され 吊り合った家系間で 親たちが 結婚を 決められていましたが、当時では珍しく 大恋愛をして 結ばれたようです  宇免が 若くして 亡くなると、澄彦は 再び大恋愛をして 後妻を 迎えました」

 三谷の中倉野呂の正月行事 NEW YEAR’S EVENTS OF MITANI-NAKAGURA-NORO

年の暮れ 餅搗きをします。家長が 朝山に入り 松の先を切り ふくらしの木と 樫の葉を 松の木の下の方で 1本に 纏め 括り付け、注連縄を 張った 奥の間の年神の 両側の神棚の支え木に 固定し、台所の 竈のオクド様 倉の神様 水神様に 注連縄を張り、母屋の入り口にも 青藁の注連縄を張り 昆布を飾り付ます。餅搗きには 分家した親戚の者も集まり、午後一眠りしてから 年越蕎麦の夕食を 済ませ、蒸篭で蒸した 餅米を 臼に移し 男2人が 杵を振るい 女1人が返し手を して搗き 総掛かりで 丸餅 豆餅 牛用の吉備餅 大きな重ね餅を つくり、座敷の新品の莚musiroへ 並べます。そして 餅に 小豆餡を 塗した お手入れを 作り 皆で 食べます。それから 分家の者は お手入れを 土産に持って帰って 自分等の餅搗きをします。本家の者も てごに 行きます。しでの木に 豊作を祈願しながら 小さい餅を飾り付けた 餅花や 木の桶に 大きな鏡餅を入れて 年鉢を 作ります。年神の飾りの 松の車枝に 蜜柑を 糸で吊るし、下の樫には 塩鰯 串柿 二股大根 餅花 等を 付け足します。年神の正面に 一文銭を飾り、女竹を 割って 氏神様とお寺様のお札を 背面の藁で編んだ 背飾りに 刺ます。母屋のお飾りには 蜜柑を付け ふくらしの木に 付けます。大晦日の日に 鰯の頭に 竹串を刺し「狐の口焼き」と 唱えながら 火に焙って作った 年取り鰯(節分のヒイラギ鰯に似ています 他の人とは使い方が違います)を 家の入口に 刺し 厄病除け 魔除けにます。元日には 家長は 一番鶏が鳴くと 神棚に燈明し、三方に重餅Kasanemotiを入れ 蜜柑を添え 昆布を巻き 豆 栗 干柿 新箸Sinhasiを 添え 年神に供えます。家長が 汲川に 注連縄を 張り 若水を 汲み持ち帰りると 主婦は 若水を使って 茶と雑煮の準備をします。大晦日を 寝ずに過ごした者達は 次々に 若水 で顔を洗います。朝祝いが 終わると 主婦は 豆餅を 年神と ロックウに 供え、歳の数だけの湯餅と 法蓮草 昆布 牛蒡 豆腐 塩鰤 蛤で 澄まし汁の雑煮を用意し、お屠蘇 数の子 煮豆 等を添えます。家長は 一人で 氏神である化気神社に 初詣します。正月2日には 男達は 綯い 始め 鍬始めをし、女達が 書き初め 縫い初め 掃き初めをます。4日には 主婦は 焼き初め 炒り初めをし、家長は 山入りします。6日は 主婦は摘み始めをし、7日に 七草雑炊を 祝い 家族や奉公人の万病除け 邪気払いをします。9日の集落の者達の山の神祭りには 村長は 酒 寿司 刺身等提供します。11日には 家長は 大鍬始めOokuwa-hazime( ヤレボーをし、主婦は そのための年鉢餅を切り 雑煮を 作ります。その日  近所の子が コトコト様をしに 戸を叩くと 家長は コトコト様に 正月祝いの残り物の蜜柑とお菓子を 出してやります。14日のドントの日には 家長は 正月祝いに使ったお飾りを 集め 餅つき臼の上に 飾り、主婦は 小豆粥を作り 家族や奉公人は 茅の箸で食べ 食べ終わると 箸を 投げ鴨居を 投げ越させます。夕方ドントの会場に 家長が 御飾りと餅を担ぎ 会場に向かいます。青竹の火箸で 焼き餅を 焼き 持ち帰り 年神に祀った後 残りは 皆に 配ります。同時に 焼け焦げた松を 持ち帰り 家の入口に 掛け 虫除けにします。夜には トントン様の行事が始まり 近所の子供達が 戸を叩き 隠れながら 杓を 差し出すと、そこへ 小豆粥を 注いで 食べさせます。主婦は 年神が 帰る日の送り正月にも 雑煮を作ります。      

鍬始め:芒 松 猫柳 たずの木(ニワトコ)桟俵Sandawara(俵の蓋)に 刺し、苗に 見立てて 畑に埋め 餅 米等を 供え 豊作を 祈り、使った鍬は 洗って 安置します    書き初め:若水で 墨を摺り、恵方に向き「長生殿裏春秋富 不老門前日月遅」等と いう詩歌を 書きます  最近は 特に 題材を 指定せず 習字として 好きな文字を書きます  書き初めで書いた物は 左義長(ドント)で 燃し、焼けた半紙が あるいは炎が 高く上がると 字が上達すると いわれていいます    縫い初め:新年になって その年初めての縫い物をする行事 初針 掃き初め:新年最初の部屋の掃除 焼き初め:新年に 初めて食べる 焼肉、またはその行為 但し1月中 炒り初め:新年に 初めて食べる 炒り豆等、または その行為 但し1月中    山入り:山に入り 木を切り 蔓で束ね 先を曲げ 稲穂に見立てて祀り、早苗植えの時に 薪とします 摘み始め:新年初の野草採取 採取した春の七草は 七草雑炊に用います 七草雑炊:春の七草や 餅等を 具とする 塩味の粥で、その年の無病息災を 願って 正月の祝膳や祝酒で 弱った胃を 休める為に食べます。 山の神祭り:山にかかわる人が この日は 物忌みとし 仕事を休み、信者同士で 飲み食いをする行事 主催者は 会場造り 酒の準備 料理の寿司 刺身等の肴を用意します  死後の霊魂が やがて山の神になった 先祖神が 子孫の生活を守るために 降りてくるので これを迎えるです ヤレボー:やれ穂う やれ穂うと掛け声を掛け、飾り牛を 連れて 田に行き、豊作を願って「の」の字の鏡字を掘ります「の」の鏡字は 神の領域を表します\ コトコト様 :夜、近所の子供達が 年神様となって 戸を叩くと、正月祝の食べ残しの蜜柑やお菓子で もてなし山の神に お礼をします 実際にはコトコト様のために 買い置きします ドント:左義長、ドンド焼き等と呼ぶ 盆と同様の魂祭で 亡者への供養のための火祭をです。左義長は 子供の行事とすることが 多く 正月の松飾り 注連縄 等を 各家庭から集め うず高く積んで 焼きます  この火は 神聖であるとされ 餅や団子を 焼いて食べたり、灰を 体にまぶしたりすると 健康になるとされます  トントン様:夜に 歳神が 山に帰る前に 食事をさせ 精を付けてもらう行事です  近所の子供達が 年神となって 戸を叩き 隠れながら杓を 差し出すと、家長は 小豆粥を注ぎます  トントン様の粥は 夏ガメを 防ぐとされます      いきのう:いきなり 直ぐに 直後に    ぼっこう:大変に 酷く 大きい・重い等    よだつ:手間がかかる 面倒な    くたびれる:疲れる    年鉢:年神に祀る鉢入りの餅   がめる:痩せる 夏ガメ・夏痩せ・夏病み    ぼっこい:ひじょうに 非常に大きい・非常に偉い等    頬玉ぁどやす・頬玉ぁどしゃまかす:頬を強く叩く    がまちゅう:激しく    業が湧く:腹が立つ    どつく:叩く    尻蓮:肛門にできる悪性腫瘍 恐らく肛門周囲腺癌 きょうとい:恐ろしい すばろうしい:貧乏くさい みっともない 立派に見えない    成り:姿 恰好    あぎゃあな・こねぇな・そねぇな・どげぇな:あんな・こんな・そんな・どんな    気色:気持ち 気持ちの様子 気色悪い:気持ちが悪い    ふう:姿 恰好 ふうが悪い:みっともない    ふくらしの木:そよご・冬靑等    平成23年(2011年)9月18日