猫又 Two-tailed monster cat


猫を 殺せば 7代祟られ、猫を 苛めると 3代祟られると されます。猫は10歳を 超えると 尻が2つに分かれ 猫又になり、能力を 獲得して その中でも 特に能力のある猫又は 神通力ると 言われます。ある雌の黒猫が  猫又になり、台所の戸棚を開け食べ物を 盗んだり、家の玄関の出入り口を 開けっぱなしにしたりする 等の悪さをするので 山に追い出されました。猫は 山に登って来る者に 噛みつくと、食いつかれた者は、涎Yodareを垂らし 痙攣Keirenして死んだと 言われます。村人は 山狩りし 猫を掃討しました。「吉川東苅尾の村人より口伝」

著者が 飼っていた猫はS字状フックを 取り付けた 落とし鍵付きケージの重い扉を 開け、その部屋のフック式鍵付きの観音開き式の扉を 開け、隣室のフック式鍵付き引き戸を 開け、次の部屋の換気扇の内蓋と 外蓋を開けて 散歩に出かけた事がありました。閉じ込めて 置くのがかわいそうになり 室内で 飼う事を諦めると 何者かに 殺されました。きっと どこかで とんでもない悪さをして 誰かの逆鱗に 触れたのでしょう。近所に 鶏を飼う人や  伝書鳩を飼う人がおり 隣接の公園には 20人程のホームレスの人達が 暮らしていました。犬の散歩に 付き合う可愛い猫でした。


猫又物語 Tale OF  Nekomata

平安時代 初期に 分限者の福衛門と言う男が いて 雄猫を飼っていました。その福衛門の隣の貧しい窮衛門の家に 雌の黒猫が 迷い込んで来ると 母親が「猫を殺せば7代祟られる  猫を苛めれば 3代祟られる」と 言うので それまで 猫嫌いでしたが 飼い始めました。3日も飼うと 子猫の餌を ねだる仕草が気に入り 可愛がるようになりました。所が 猫は 気ままなもので 隣の家の庭や 畑にババ(ウンコ)をし、隣の雄猫が来ると 喧嘩し 大怪我を させました。福衛門は 雌猫を見つけると 鎌で切り掛かかり 殺そうとしましたが、猫は素早く 身をかわすばかりです。それでも ある時、鎌が尻尾に 当たり、真っ二つに 切れ  尻尾が2本にしました。すると 雌猫は 人間のする事を覚え 人間のしようとする事を 察知し 嫌がる事をするようになりました。腹が立って 福衛門は「こぎゃぁな 阿婆擦れAbazure猫は 追い出せ  さもないとお前等を 村に住めん様にしてやる」と 窮衛門を責め 何かに付け 激しく 執拗に 難癖を付けました。窮衛門困り果てるのを見て 雌猫が 急に 姿を消してしまいました。福衛門は「やれやれ これで気が晴れた  家の猫も 寛げらぁ」と 喜びました。窮衛門が ある春の日  山菜取りに行きました。夢中になり 時を忘れ 夜になり 道を失いました。運の良い事に 家が有って 灯りが付いていました。泊めてもらおうとして訪ねると 美しく しなやかな体付きの娘さんが「おえ(部屋に)上がりんせぇ」と 招きました。娘さんは 美味しい山の幸と 山葡萄のお酒を 用意してくれ、そして素敵な夜を 若い二人は過ごしました。翌朝 二人は 名残を惜しんで 別れました。窮衛門は 又  娘さんに会いたいと思い、帰り道の木の枝を結んで  道筋が解るようにしておきました。村に帰ると 皆が心配していてくれていました。娘に合いたくて思い悩んでいる窮衛門の様子を見て、何も知らない親戚連中は「早う身を固んとおえん」と 言って福衛門の妹を 世話しました。窮衛門は 美男子だったので、福衛門の妹は すっかりその気になりましたが「好きな女子onagoがいるけぇ 堪ぇてつかぁさい」と丁寧に 断り、あの日の事を 詳細に伝えました。失恋した隣の娘は 兄に この話をし、山の娘を「おえんようにしてちょうでぇ」と 頼みました。福衛門の妹が 見張っているので 窮衛門は 山に行くことができませんでした。福衛門は「窮衛門は そぎゃぁな良ぇ思いをしたんか  わしも あやかろう」と 言って、松茸狩りに 山に入りました。

枝の結びを 訪ねて行くと 確かに 家が有り 若い娘が現れたので「泊めてくれぇ」と 言って家に上がり込み、食事とお酒を強請りNedariました。すると 娘は 突然に毛むくじゃらの山婆Yamanbaに変わって 宙を駈け、福衛門の手に 咬み付いたのです。恐れをなして 逃げ出し  村に帰ると 福衛門は 気が触れたように「化け物じゃ  猿みたいな婆じゃ  食い殺される  空を飛ぶ」と 訳の解らない事を言って 家に閉じ篭もりました。大した傷でもないのに 傷は膿んで 大きく腫れあがり 涎をたらし痙攣し ついに死にました。村の者達は「山姥は 窮衛門の猫爰Nekomataに 違いねぇ  じゃが 福衛門の敵じゃ」と 言って 山狩りしました。木々を 飛び渡る 尻尾2本の大猫を 大勢の人と 犬で 追い詰め 仕留めました。窮衛門と母は 涙して大猫を葬り 墓を立てました。その年は 大旱魃となり、窮衛門の家以外は 酷い不作でした。村人は この山を 猫山と言っていましたが、何時の頃からか 猫山が どこにあったか知る人はいなくなりました。「東苅尾の村人との冗談話」

猫:芸者を猫と言うのは、愛用の楽器に 猫の皮が張ってあるからです 猫山:猫又山 大猫山と言う山が富山に、猫魔ヶ岳と言う山が福島に あります  不忍通りには 猫又坂と言う坂が あります  猫又の物語には「鍋島の猫」 「岡崎の猫」「有馬の猫」等が ありますwww.ne.jp/asahi/yama/neko/nekoyama/nekoma.html」 猫橋:湯山1157・1160-1165番地 猫の豆知識:猫の記憶力は 犬に比べはるかに高く、何処に 高い木があり、何処に 抜け穴があるかを 直ぐに記憶します  それらに変化がないか 毎日点検する程の用心深さです   猫は人間と生活している内に 人間の行動を観察し 真似をします  大方の猫は10年もすると 木戸を開けたり、冷蔵庫の扉を開けたりするようになります  猫の瞳は 縦長で 眼光に凄味がありますし、毎日徘徊し、身勝手で 孤独を好み、死者の腐臭を好み、年を取るに従い 人の行動に似た行動を 次第に身に着けて行く様は 人にとって 奇妙な動物に見えます  それで 猫又伝説 死者の蘇り伝説 三毛猫伝説 油舐め伝説 等が生まれたのでしょう  猫の繁殖期は冬至から夏至です  そのため春先の猫は 体を押し付け触られる事を好みます  雄猫を交尾に誘う行動の代償行動です  夏至から冬至の間は繁殖をせず、野性的な性格の猫はそっけない態度をとり、単独でいたがり触れられたがりませんhttps://nekochan.jp/cat/article/2932」 山菜取りは 春で、松茸狩りは 秋に行いますので、この物語で 春(人工照明が無ければ 猫は 日が長くなる時期 即ち 冬至から夏至に発情します)に山に入った男 が 歓迎され、秋に入った男が 犠牲になった事は 猫の繁殖生理上 理に叶った筋書きです   猫や兎の排卵は 人や犬と違い 交尾刺激で 起こります 猫又猫股: 中国で仙狸Senriという山猫の妖怪が伝わっており、歳を重ねた山猫 が 神通力を身に付け 美男美女に化けて 人間の精気を抜き取るとされます  日本の猫又伝承は 仙狸を起源とすると 考えられていますhttps://ja.wikipedia.org/wiki/猫又」 猫跨病:山猫から移される病気に 涎をたらし痙攣して死ぬ病気には 狂犬病が あります  狂犬病に 感染すると人が感染するとほぼ100%死亡します 猫の咬傷:猫に引っ掻荒れると 猫引っ掻き病に 掛かる事があります  犬猫の口の中には パスツレラ菌が 生息しています   猫に咬まれると 傷口が 小さな刺し傷程であっても 高い確率で 咬み傷は 激しい化膿を起こします  人が咬まれる確率は 犬の方が遥かに多いのですが、パスツレラ菌感染症は 猫に咬まれた時の方がはるかに高いので、小さい傷であっても 猫に咬まれたら直ぐに 病院を訪ねましょう。https://ja.wikipedia.org/wiki/パスツレラ症」  平成24年(2012年)3月14日