案田 耳地蔵 Jizou-bosatu givinng good luck for  ear trouble


 案田に 耳地蔵が 祀られています。耳地蔵を 参詣すると 耳の病に ご利益があります。時々、穴をあけられた石が 奉納されます。 平成9年(1997年)お堂の改修 が行われました。村の改修募金の協力者の多くは 、歳()をとって 難聴になったと言います。その内の一人のお爺さんは「5万円も出したんで ご利益があり、わしの聴力ぅ 地蔵が 取り上げ もそっと耳の悪い人に 施してくれ わしの徳ぅ 高めてくれた」と 話しました。「案田村人より口伝」

 

耳地蔵物語 story of JIZOU-BOSATU GIVINNG GOOD LUCK FOR  EAR TROUBLE

ある夏 大層な日照りが 続いました。ある お爺さんのお百姓が 耳が聞こえないので よだっていました。お婆さん(が「今日、殿様が 化気神社に お参りに来るけぇ 行列が 近づぃたらぁ おえん」と 注意したのですが、耳が 遠いので 良く聞こえませんでした。野良仕事を 終えて ヨッコラセ ヨッコラセと 坂道を ボトボトと 上っていた時、殿様の行列は 後ろに 迫って来ました。耳が遠い上 耳鳴りもしていたので 気配を 察する事がでませんでした。家来が 飛んで来て お爺の頬玉を かまちゅうどやしました。鼓膜が 破けて 何も 聞こえなくなり、何事が 起きたか 解らないで ポカンとしていましたが、振り返って ようよう 事の次第が 解り、道端に 土下座し ブルブル震えながら 無礼を 詫び(ました。家来が お爺ちゃんを 無礼打ちにしようとすると 土手の上にあった地蔵が ゴロンゴロンと 突然に 転げ落ち、侍とお爺さんの間に 転がって来ました。振り下ろした刀が ガチンと 地蔵の耳を切り落としました。お殿様は これを見て「地蔵が 仲裁に入った  老人を許してやれ」と 言ったので、爺さんは 命拾いしました。お爺さんは 地蔵様に 感謝し、落ちてきた土手下に 耳無し地蔵を立て直し 祀ってやったのですが、炎天に 晒さ\れていた 石地蔵は 焼けんばかりに 熱かったのです。「なんと 熱い事か  さぞ辛かったじゃろうに  川の水で 冷やしてあげますらぁ  明日にゃぁ 祠ぁ 建て 日除けを こさえてさしあげますらぁ」 と 言うて、焼谷川の水で 冷やしてやり、お堂を 建ててやりました。

かけた耳を 付けてやろうと 思うのですが うまく付きませんでした。数日 お爺さんは お地蔵様の事を忘れていのですがが「耳ぃ欲しい  耳ぃ欲しい」と 耳鳴りが 聞こえました。川に降り耳の形の石を 探し奉納し、欠けていた耳を 丁寧に 水で清めると その夜は 耳鳴りも 止み 気持ち良く眠りに 付けました。翌朝 お婆さんは「お爺さんの耳が 悪いので 骨が折れて かなわん  うちの腰が 痛んだのは お爺さんのせいじゃ」と 呟と、お爺さんは「なんちゅう事を 言うか  婆さんが ガンガンてぇてぇじゃねぇ声で 小言ばぁ言うけぇ わしの耳が 悪くなったんじゃぁないか」と 反論しました。耳の悪い筈のお爺さんが、小声の呟きを 聴き留めたので お婆ちゃんは 驚き「良からん事を聞かれた」と 思って首を竦め ペロリと べろを出ました。耳が治ったのは お地蔵様のご利益だと 信じた二人は 喜んで地蔵様に お礼を言い 参りました。すると 耳の形の石に 穴が開いて、地蔵は 嬉しそうに 笑って 片手で 耳を抑えていました。きっと 地蔵の耳も 通ったのでしょう。そこで 二人りは 耳地蔵を 新しくこさえて 祀りました。その噂(が 近在に 広がり、更に 藩外からも 参詣者が 来たと言うそうです。時が 経ち お堂が 傷んできたので 平成9年(1997年) お堂の改修が 行われました。その普請に 地獄耳の男がいて 5万円を 寄付し地蔵の手で 塞いでいる 耳に 向かって「耳地蔵にご利益あるんなら、わしの地獄耳の能力ぅ 誰か に分けてやってくれぇ  かかぁの小言が 聞こえ過ぎて よだつんじゃ  そうすりゃあ わしの徳が 上がろうと言うもんじゃ」と 言うと、歳をとるに従い 耳が遠くなり、今は 逆に「耳が良くなりますように」と 耳地蔵に 毎日 おすがりしているそうです。「案田の耳の悪い村人より口伝」を 基にした物語 村人は「現在でも一月に 数組位が 参詣する」 と言いました。    耳地蔵:429号線を 円城より 案田に 進み 広域農道の高架を潜り、毛気神社に 登る道の直ぐ先に 斜め右に登る道があるので、少し登ると 左手 北緯34度54分15秒東経133度48分3秒のお堂に 耳地蔵が 祀られ、その右土手上に 耳のかけていない 地蔵群が 立ちます  耳地蔵のお堂の右手の札に 施工の記録が 説明されています  お堂の横 に祀られる地蔵2尊は 右耳が 欠けており、お堂の中の新しい地蔵は 右耳を 押さえています  地蔵下:案田865・898・899番地 地蔵脇:案田875番地 地蔵前:案田863・980番地等     平成23年(2011年)8月14日