上竹 月の原屋敷 深田兵衛の蚤退治 Exterminating  fleas by Hukada-bei


月の原に 深田兵衛という長者が 月の原屋敷を構えていました。金で作られた鶏 7番Nana-Tugaiを、白南天の下に埋め「朝日射す夕日照らすその下の白南天のその下にあり」と 言う訳の解らない歌を残しました。「賀陽町史」「上竹村史」「月の原深田で草刈りをしていた村人より口伝」

月の原に温泉がありました。吉備津彦命(岡山の桃太郎伝説の桃太郎)が吉備征伐に来た時、兵士が湯治し創を直し戦いました。近くの石で剣や槍を研いだそうです。「上竹村史」「竹荘サキノスの村人のより口伝」

 

深田兵衛の蚤退治 EXTERMINATING  FLEAS BY HUKADA-BEI

昔 深田兵衛と言う者が 月の原温泉で 宿屋を営んでいました。「桃太郎が 泊った」と 言う評判で 流行っていました。けちん坊で 人を雇うのが 嫌だったので、あまりに 忙しさに  掃除をする暇がなく 蚤や鼠が増えてきたのです。客は「蚤で痒い」「鼠が煩い」「寝苦しくて往生する」と 苦情を言い 悪い評判が 立ち 客は 減って行きました。深田兵衛は 気落ちし 掃除をする気力も失い ますます 鼠や 蚤が 増えました。ある日 人の良さそうな貧乏臭い男が宿に止まりました。「蚤や鼠がいて眠れない」と 客が 苦情を言うと、深田兵衛は いけシャアシャアと「家じゃぁ 蚤や 鼠ぅ飼ぅて 繁殖させているんじゃ  蚤ぁ漢方薬になるけぇ高ぅ売れる  蚤ぅ取って漢方薬屋に売る  沢山捕えた者には 路銀を都合してやっている  何なら1匹残らず捕ってもろうても良ぇぞ」と 答えました。そして深田兵衛が「蚤は要らんか  鼠は要らんか 安価販売」と 書いた立札を立てたので、客は 納得し 泊まる事にしました。

客は夜も寝ないで 蚤や 鼠を 捕りました。路銀を使い果たし困っていましたし、帰れば お金が 必要だったからです。数日後には蚤 も鼠も 1匹も いなくなっていました。深田兵衛は 極めて安い値段でしたが ポンと お金を払い 買い取りました「蚤を増やすための塵を 集めてくれりゃぁ もっと金をやろう」と 言いました。客は 感謝し 宿屋の隅々の塵を かき集め、ピカピカになるまで 掃除しました。翌日、深田兵衛は またも 快くポンと 代金を払いました。客は 路銀ができ、喜んで旅立ちました。そのころ深田兵衛は「安い労賃で、今まで どぎゃぁ に努力しても 絶やせんかった 蚤や 鼠ぅ退治でき、おまけに 掃除までさせちゃった」 と 思ってにんまりと笑っていました。その年は 旱魃だったので 米が採れず、それを餌にする鼠が 激減しました。お百姓は 稲荷神社に 豊作を願いに行きたいのですが、お供え物の鼠天Nezu-ten(鼠の天婦羅)が 作れず 困ったのです。すると「鼠を売ってくれ  稲荷神社に 天婦羅にして奉納するけぇ」と 言って多くの人が 鼠を買って行きました。

又「蚤を売ってくれ 粉にして 舌の下で転がすと 蚤に刺されても 痒くならなくなる」と言って 沢山のの人が 蚤を買って行きました。あの旅人は 大事な 鼠や蚤が腐らないよう 火を通し 丁寧に 乾燥させてくれていたのです。深田兵衛は たっぷりと儲け、宿も 綺麗になったので 又 はやり始めました「深田兵衛は しっかり者じゃ」と 言う評判が立ち、困り事のある者達が  相談をしに来て 宿泊するようになと 経営相談料を 取りました。お金を 残した深田兵衛は 財産を 七番の大きな金の鶏に 変え、白南天の下に 埋め「朝日射す夕日照らすその下の白南天のその下にあり」と 言う訳の解らない歌を 遺言として残しました。訳の解らない歌なので 未だ 誰もどこにあるのか知る人はいません。「賀陽町史」「上竹村史」「月の原深田で草刈りをしていた村人より口伝」を 基にした物語     蚤:日本には 約80種程 蚤が生息し、多くの蚤は 定温動物で有れば 寄生します 写真は 猫蚤で、犬や 人にも 良く寄生します  犬蚤は人を 好まないそうです  寄生主から 離れると 長生きできず、炭酸ガスを 求め移動します  幼虫の餌は 親虫の糞です  犬猫の蚤寄生を知るには 毛の中の蚤の糞を 探します 鼠の天婦羅・ネズテン:稲荷神社の遣わしめは 狐で、野生の狐の主食は 鼠です  始め稲荷神社には 鼠の天婦羅が 奉納されていましたが、天保の頃の凶作の年に 鼠が繁殖せず、やむなく油揚げに 鮨を詰 め鼠天婦羅の代用にしました  その後は  いはゆるお稲荷様(稲荷寿司)を 奉納するようになりました  天保の飢饉の頃、豊川稲荷神社に 奉納された稲荷ずしを 庶民が 食料として利用しました gogen-allguide.com/i/inarizushi.html」「豊川市民の口伝」 蚤の過敏症の研究減感作療法:過敏症の内 最も有効な療法は 減感作療法です  過敏反応の原因である 物質(アレルゲン)を 注射等し続け、免疫学的反応を 鈍らせる方法で、最近は 舌下にアレルゲンを含み 減感作させる研究が進んきました  蚤過敏症(蚤アレルギー)に 急速舌下(経口)減感作療法が 研究されているかどうかは知りません 鬼楽荘湯元・月の原温泉:北緯34度51分25秒東経133度41分6秒 この物語と関係ありません    深田:北緯34度51分12秒東経133度41分12秒 上竹128・166番地等 上竹466・502番地等  平成23年(2011年)9月30日