大山参り  Visiting Dai-sen mountain

 供養塔伝説:昔、大山参りし お水を頂いた帰り道、萩坂で 力尽き亡くなった村人が 供養塔を立て 祀りました.「加茂川町史」「加茂市場村人より口伝」

 

伊勢原・雨降山大山寺の雨乞いの仕来たりの伝説:神職 住職の清めを済ませ 白行衣Siro-gyoui、白手甲Siro-Tekkou 白脚絆Siro-kyahaを身に着け 茣蓙姿Kogoza-sugataに 雨具 菅笠Sugegasa 鈴を 携え「懺悔Zange 懺悔 六根清浄Rokkon-syoujyou」と 唱えながら 大山に進みます。飲食用の時 睡眠時以外は 大山寺で お祓いを受け頂いた神水は 立ち止まらず 地に置かず 水を零koboさず 持ち帰ります。聖水が 持ち帰られると 神主に 拝んでもらい、皆で お神酒を 頂きます。竹藁俵Takewara-dawaraに 御幣Goheiを持ち、笛太鼓で 囃しながら 池や 川に 繰り出します。神主が 祝詞Noritoをあげ 和尚が教を読む中、男達は 川や池に入り 梵 天人形や 神主 和尚や 巫女に 水を掛け、六根清浄を 唱えます。雨が降ると お湿り正月と称し、休養を とりました。伯耆角盤山大山寺Houki-Kakuban-zan-Daisen-jiでの 仕来たりも これに準じたそうです。「加茂市場村人より口伝」

 

命がけの大山参り物語 story of Visit to Dai-sen mountain at the risk of one's life


 下加茂の里は 来る日も来る日も 雨が 降りませんでした。「8月、日照りは 里芋に祟るTataru」の諺Kotowaza通り、お盆までに 雨が降なければ 野菜も米も 枯れてしまう程の旱魃Kanbatuが 続いたのです。村人は 困り雁首Gankubiを 並べ相談し、大山参りをする事になりました。雨男 天輔 降三が 大寺僧正と 山王宮宮司の代参に 選ばれました。大山は 牛馬の守護神で\すが、五穀豊穣 雨乞い神でもあります。三人は 大山雨乞いの仕来たりを 教えられ「絶対に守らないといけない」と 言われ 大山寺に向け 装束具足を整え 加茂市場から 豊岡 鹿田 三坂 釘貫 鳥居峠 郷原 延助を通過し 横手道に入りました。途中で 吉川 田土から来た10人程の代参に 合流しました。「懺悔 懺悔 六根清浄 懺悔 懺悔 六根清浄」と 唱えながら 山道を歩き続けました。大山寺で 池さん神事のお祓いを 受け、ご神水(お水)を頂きました。吉川 田土から来た代参は 小さい水筒に 少しお水を頂いたのですが、下加茂の3人は「あぎゃあにちいとのお水じゃぁ 足る物か  10人もいてだらしないのう」と 笑って大きな 徳利に一杯づつ、並々と お水を頂いたのです。ゆうに 20Kgに なったと 思われます。帰り道では「立ち止まるとその場所に雨が降ってしまい ご利益(Goriyakuが 減る 水を零すと神様を愚弄Gurouした 事になり ご利益が失われる」と 聞いていました。勿論  地に置けば 止まった事になると思いました。だから 村の人達の苦しみを 思えば 馬鹿正直な3人は 夜になっても 歩き続け、用を足す時は お水を仲間に預け 鎮めると 後を追い掛け、水を飲むのも弁当を食べるのも 歩きながら 済ませました。疲労 空腹 脱水の上に 重さに耐える 正に命を懸けての 帰路となりました。加茂市場が見える所の 萩坂Ogisakzでは 大寺の和尚や 村人が 心配して迎えに出て来ていました。息も絶え絶えで 力なくふら付く三人の姿を見て、急いで村人は60Kgの徳利を受け取ったのです。

徳利を渡すと、降三は 力尽き意識を失って倒れ 介抱の甲斐kaiもなく息絶えました。お水を 山王宮に運び 神主に拝んでもらい、皆で お神酒を頂きました。村人は 梵天(大型の御幣)を 先頭にし 神主と 和尚と 巫女が 水を持ち 笛太鼓で 囃しながら 宇甘川Ukai-gawaや 溜池に水を運び 皆で お神酒を頂き 山王宮の神主が祓いをし 和尚が読経しているところへ 村人達は 六根清浄を 唱えながら 神主と 和尚と 巫女の頭上に お水を注ぎ、溜池や 川にも お水を注ぎました。沢山の水を 注いだので 他の地域より早くより多く雨が降ったのです。村人は 降三に 感謝し 萩坂に 供養塔を立てました。雨が降ったので 仕事を 休み お湿り正月を 過ごしたそうです。「大山のお水取り」「雨乞い神事」「大山参りと供養碑」を基にした物語    大山参り犠牲者の供養碑: 加茂総社から のびのび小学校に 向かう道の加茂総社の直後の荻坂の途中 北緯34度51分53秒東経133度45分33秒にあります 南無阿弥陀仏と読めます 梵天:釈迦Syakzの悟りを 率先して 布教した仏 耆大山・剣ヶ峰:北緯35度22分16秒東経133度32分24秒 角磐山大山寺:北緯35度23 分28秒東経133度32分6秒 伊勢原大山阿夫利神社Oo-yammaAhuri-jinjya・雨降神社:北緯35度25分15秒東経139度15分25秒 下加茂日吉神社:北緯34度51分46秒東経133度49分25秒 下加茂牛頭山宗林寺:北五34度51分31秒東経133度48分50秒    大寺:下加茂1311・1397番地等 日吉神社の西の此谷川対岸にあったとされる寺 現在ありません    山王宮・現在の日吉神社:下加茂1128(北緯34度51分35秒東経133度48分50秒 宗林寺宇甘川対岸 大山堂隣地・1129番地    加茂市場加茂総社宮:北緯34度51分51秒東経133度45分30秒  平成24年(2012年)5月17日

 

3月31日に【岡山「へその町」の民話-岡山県吉備中央町の採訪記録 立石憲利 吉備中央町図書館 吉備人出版】が発行されました。P339~P344に「大山参り」に関する民話が載っています。