広面 狸岩狸と鼓岩狐 Raccoon dog lived in Tanuki-iwa "raccoon doga 's rock" & Fox lived in Tuzumi-iwa "Japanese hand drum shaped rock"



狸岩の狸の愚行  Act of folly by raccoon dog lived in Tanuki-iwa rock

広面に 狸岩と言う巨石が 有りました。狸岩の底の方は 空洞になっていて 岩を 叩くと ポンポンと音がしました。その空洞に 狸が住み着き 夜になると 畑をゴソゴソと 荒らし廻り 他の狸と 違って 気持ち悪い鳴き声で よく鳴くので 村の子供達は 怯えて夜に 便所に 発てなくなり お寝小便をするようになりました。寝不足に 苦しめられた村人は 怒って 狸岩の穴の前で 松の生枝を 燻り 追い出し 狸を捕まえ 恨みを晴らす様に 美味しく狸汁にして 食べました。また 広面の鼓山に 狐がいて人や狸を良く化かしました。「広面岩目の村人のよりも口伝」

 

狸岩の狸の愚行物語 Tale of  FOLLY BY RACCOON DOG's act LIVED IN TANUKI-IWA

広面の岩目の下simoに 狸岩Tanuki-iwaがあります。叩くと ポンポンと 音のする狸岩に 住む ちょぴり人が良い狸が 鼓岩Tuzumi*-iwaに住む 悪賢い狐に 馬鹿にされていて 悔しい思いをしていました。悔しさを 紛らせるために 狸岩を 毎夜 ポンポンポンと 矢鱈拍子Yatara-Byousiに 鳴り響かせるので まだ小さい子供達は 気持ち悪がり 夜も眠られず、おトイレにも 発てず お寝小Onesyouする有り様です。更に いじけ狸が 憂さ晴らしに 村の畑を荒らしました。村人は 困って 猟師に「あたりがけ(八つ当たり)するばぁの狸う 退治してつかあせぇ。」と 相談を 持ち掛けたので 猟師は 狸狩りする事を 決めました。ワイワイと 村中が騒ぐので 何事かと思い 狸がそっと聞き耳を済ませると「狸狩りを明日(する。」と 言っているでは ありませんか。これを知って「ゾゾケが ついたぁ。殺されちゃぁ堪らん。じゃが 今日1日 考える時間がある。 この機会を利用して 意地悪な狐に 仕返ししてやろう。」と 考えたのです。狸は 狐に「明日 狸岩で 化け試合を申し込む。」と 伝言を 送りました。狐は「望む処じゃ。何時も 通りやっつけてやらぁ。」と 返信して来ました。狸が「俺は 猟師に 化けておる。お前は 俺に化けて 俺の所へ来ぇ。」と 追伸しました。狐は「化け方ぁ 指定するんはおかしい。もしかすると 騙すつもりかも知れん・否 きっとそうじゃ。その手は桑名の焼き蛤Yaki-Hamaguriじゃぁ。ならば 熊に化けて 猟師に化けている狸ぅ 脅しちゃろう。」と思いました。猟師が 狸岩にやって来る と 狸岩は もぬけの空でした。回りを伺うと 熊 が偉そうに 振る舞っています。熊は 猟師を見ても 怯えないばかりか 挑発的に 振舞ました。ところが 犬が 勇敢にせぎ(吠え)かかると 熊は 怖気Ojike付く 始末です。猟師等は「だらしない熊だ。」 と 立派な獲物に 一斉に 弾丸を 放ちました。熊は 呆気なく仕留められ元 の狐の姿に 戻りました。猟師達は 熊で無かったので 落胆しましたが  狐の皮は高く売れるので 皮が剥がされました。猟師達は「狸が 狐を騙して 自分達に殺させ 日頃の鬱憤Uppunを晴らした.。」と 察し 翌日 狸岩の穴の中を 猟師達が覗いてみると 狸は 満足な結果に すっかり警戒心を解いて どこで 手に入れたのか 祝い酒で 酔い潰れていました。「良ぇ気分になっとる。松葉で燻り うんのび(気絶)させよう。」と 相談して 穴の前で 火を焚き 燻り出して 狸を 捕まえました。その夜の漁師達は狸 汁と 狐汁を 楽しんだそうです。「特に 狸は 酒でうるかされ(ふやけて)ていて 美味しかったのう」と話し合ったそうな。「広面岩目の農夫より口伝」を基にした物語     平成23年(2011年)9月3日

 

狐と狸の化け較べ Transformation-comparison between fox and raccoon dog

昔 化狐と 狸が居ました。狐は 千年もの過去の事を 知っていました。狸は 三日先の出来事を 予見できました。狐は 狸より化け上手だった上に 千年の出来事を 応用できたので 狸を見下し 化かして からかっていました。ある日  山道で 狐と 狸が 出会いました。狸が「暇じゃね。 なんか面白い事うしようや。」と 言うと、狐も「暇じゃのう。そうじゃ。化け較べぇしよう。」と 言うので 化け較べを することになりました。最初の内は 先番を 譲り合っていましたが 狸が「わしが 先に化けりゃぁ 狐さんは 欠点を見付けて いつも 通りに わしより上手に化けるに 決まっとる。」と 言うと 狐は 優越した気分になって「じゃぁ。 わしが 先に 化ける。」と 言って でんぐり返しして 得意の若い綺麗な娘に 化けました。髪に 鼈甲の簪を 刺し 化粧した面の唇を 赤く艶やかに塗り 黄八丈柄の着物をしなやかに纏い 白い足袋に 鮮やかな花緒の下駄を履き それは 非の打ち所のない化け具合でしたが 狸は「あれ 小さい尻尾が 出ているよ。」と 嘘を付きました。狐は「上手の手から水を 漏らした。 いや 恥ずかしい。今度ぁ 狸さんの番じゃ。わしよりましな娘に 化けてみられぇ。」と 言うと、狸は「おえん。わしが 化けると 肥えた娘に ならぁ。わしぁ 殿様行列に 化ける。大勢に 化けにゃぁ ならんけぇ 手間暇が 掛かる。明後日の昼頃に あそこ辺りの街道に来られぇ。」と 言って 狐が 異論を唱える間を 与えず サッサと 別れて行きました。狐が しかたなく 三日後の昼前に 街道に来ると 暫くして「下にぃ、下にぃ。」と 殿様の行列が やって来ました。先駆Sennkuを 先頭に お先触Osaki-bureが拍子木を叩き お長柄 具足 持筒 槍持片箱 先騎 赤鉄砲 黒鉄砲 御弓 具足 持筒 槍持 片箱 先騎 大奴 挟箱 立傘 台傘 大鳥毛 赭熊Syaguma 白熊Haguma 徒士kasi 具足 台弓 打物 お鷹 餌差 持筒 笠 草履 床几 唄方 徒士 殿様 台傘 槍持 挟箱 葛籠馬と 続いていました。 狐は 狸が 本物そっっくりの殿様行列を 再現したのに 驚き「素晴らしい。お殿様が 狸さんだよね。」と 褒めようとして 行列の殿様に 近づきました。すると 警護の侍が「無礼者。」と狐に 切りつけ 首を スパンと切り落とそうとするので 慌てて 逃げました。狸は 三日先に 殿様行列が有るのを 予期していたからだとさ。 狐と狸の化かしあい - 徳島県の昔話 | 民話の部屋 (minwanoheya.jp)」    平成23年(2011年)9月3日

 

猟師の気持ち Hunter's sense of value

昔 狸と 狐が 広面Hiromoに 住んでいました。いつも 化け較べをして 技術を高め合う仲良しでした。化ける力に 差が出てくると  おっとりとした性格の狸は ずる賢い狐に 騙されて酷い目にばかり 合わされるようになりました。ある日 猟師が「猪が 鳩の窪Hato-no-kubiから現れ 田畑を 荒らすので 猪狩りをする」と 話し合っているのを聞いて 狸は 狐に「広面で1番強い動物に化けて 鳩の窪で 化け較べをしよう。」と 申し出ました。「そう伝えれば 狐は きっと広面で一番強い猪に化けるに 違いない。そして 猪狩りの猟師に 仕留められ 日頃の敵が 打てる。」と思ったからです。処が 狐は「狸の奴め。何か企をんでいる。日本で 一番恐ろしい物に 化けて脅かしてやろう。」と 広面にいない筈の熊に 化けました。

狸は「猪狩りの漁師達は 熊を見て 恐ろしくなって 逃げ出すかもしれない。作戦が外れた。」と 落胆しました。しかし 猟犬は 熊を恐れるどころか いきり立って 追い出しました。猟師達は その熊を見て「あれ。何と珍しい。今までに  見たことの無ぇ 立派な獲物じゃ。」と 言い合って 一斉に 撃ち掛け ましたが 狸の悪戯であると 用心していた 狐は 何とか 逃げ切れました。銃声を聞いた狸は「狐の奴。撃たれたか。狐の最後ぅ確かめに 行こう。熊や 猪に比べ 殆ど 価値の無ぇ鳩に 化けりゃぁ 撃たれまい。」と 確信し 鳩に化けて 鳩の窪の木陰に 潜みました。漁師が こちらを 覗っている鳩を 見つけ「可笑しOkasiげな 鳩じゃのう。 木の上じゃぁ無うて 木の根元におる。」と 呟くと 躊躇なく 撃ち掛かりました。運良く的が 小さかったので 弾は 外れ逃げる事ができました。狸は「猟師にとって 獲物は 猪や熊でも  狐や狸でも  鴨や山鳥 でも そして小さい鳩であっても 獲物であれば 何でも良いのだ。」 と理解し 自分勝手な思い込みを 反省し 命の有った事を 祝い 廣前八幡神社に 奉納されたお神酒で 思い切り祝杯を 挙げましたとさ。「広面岩目の農婦より口伝」  

狸岩:北緯34度49分27秒東経133度48分44秒 野呂街道脇 街道整備時に 半分程が削り取られました。 鼓岩:北緯34度49分9秒東経133度48分48秒 風神社から 岩目に 向かう途中 砂防ダムに 向かう道が右手 にあり、左手の断崖を 見ながら進むと ドンドン滝が有ります。 断崖に 手すりが有るので登ると 間もなく半分 埋まった2個の大岩があります。2個が山道で分けられています。 狸の鼓岩:北緯34度49分27秒東経133度48分45秒 狸の鼓岩は 風神社と岩目集落の中間地点にある ドーム型の岩です。鼓岩はドンドン滝の東の山中にあります。 鳩の窪:広面Hiromo奧1714番地の東の谷 北緯34度49分25秒東経133度48分56秒の窪地   

平成23年(2011年)9月3日

 

狸と狐の化け較べ cheating each other between fox and raccoon dog

昔 お宮に そこそこ化け上手な 狐が住んでおり、お寺に そこそこ化け上手な 狸が住んでいました。ある日 狸と狐が ヒョッコリ出合いました。2匹は「化け上手ですね。」と互いに 化け上手を褒め合っていましたが、いつの間にか「自分の方が化け上手。」だと言い合うようになりました。2匹は「そんなに言うのなら 化け較べをしよう。負けた方が村を捨てよう。」と 話が まとまって 互いに先番を 譲り合いを始めました。後攻が 有利と思った狸が 狐を おだて上げたので 狐はしかたなく「明日 お宮に来てくれ。」と 言って先番を 引き受けて別れました。翌日 狸が お宮を訪ねると 狐の姿が ありません。辺りを探すしている内に 拝殿の神饌台の三宝に 狸の大好きなお赤飯が 奉納されていました。神主も いなかったので「神様。お余りを 戴きます。狐が来る前に 腹ごしらえしよう。」と お赤飯に 手を伸ばすと お赤飯は スルリと 逃げて狐に なりました。狐は「僕の勝ちだよね。 今度は狸さんが 化かす蕃だ。」と 言うと、狸は「明日の朝に お寺に来てくれ。」と 言いました。次の日 狐が 寺を 訪ねてみると 狸が居りません。「狸さんは 負けを認めて 村から逃げ出したんだろう。」と 思いㇷッと 仏壇を見ると 狐の大好きな油揚げが 供えてありました。「狸さんが 化けたとすれば もっと フックラしている筈だ。腹ごしらえをして お宮に帰ろう。」と 思って油揚げを 掴もうとする 油揚げが ポンと跳ねて 狸になりました。狸が「今度は わしが勝った。これで引き分けだね」と 言うと 2匹は笑い合いました。狐が「明日お宮に気てくれ。」と言いました。‥‥( ^ω^) 狸が「明日寺に気てくれ。‥‥( ^ω^)こうして2匹は 背水の陣を引いて 化け較べを 繰り返したので 2匹は 天下に 並び立つ化け上手になり 親友となったとさ。キツネとタヌキの化け比べ 京都府の民話 <福娘童話集 お話しきかせてね きょうの日本昔話> (hukumusume.com) 

 

狸と狐の金儲け Making money by raccoon dog and fox

広面の岩目の坂下に狸岩があります。そこに 狸が住んでいました。鼓山の鼓岩には 狐が住んでいました。おっとり者の狸は、悪賢い狐に 何時も 騙されて 馬鹿)にされていましたので、悔しくて 仕方ありませんでした。「何とか 仕返ししてやりたい。」と 考えていました。その狸が 山道を歩く時、裸足なので 足の裏が痛い事に 気がつきました。そこで「加茂市場の祭りに 行こう。そこで  一儲けしないか。」と 狐に 話しを 持ち掛けました。一儲けと 聞いて狐は すんなりと 承諾しました。「狐さんは スタイルも良く 歌を詠うのが上手だ。 わしは見かけ通り 愛嬌)があるだろう。 狐さんが 上手に囃して 俺が 愛嬌たっぷりふるまって 踊ったら 参観者等は 仰山Gyousan 投げ銭してくれよう。わしは ひょうきんな人間に化けるけぇ狐さんは草履に化けて囃し、わしの足を 踊らせておくれえ。」と言いました。狐は 草履になれば 狸に踏まれ 痛い目に合うので 嫌だったのですが「金儲けできるのなら 我慢するしかあるまい。」と思い、承諾しました。市場の広場には 色々の大道芸人が 順番に 技を競っていました。狸は人 間に化け、短い足に 飛び出たお腹を 使い股間を 膨ら)ませ、どこから聞こえるのか解らない囃に 合わせて ひょうきんに 踊りました。まずまずの出来栄えだったので 見物人から それなりの投げ銭を してくれ、御馳走を おごってくれました。

狸は 演劇の合間に 物陰で 狐に御馳走を お裾分けしました。それでも 用心して草履に 化けたまま食べました。狐と 狸だと知れば人間に 追われる恐れがあるからです。狸は 心の中で「様ぁ無ぇや。」とほくそ笑みました。しかし 狐は 狸の方が良い思いを し続けるので 堪忍袋の緒が 切れてしまいました。また 狸の踊りの演技の順番が 回って来ました.狐は 狸を困らせてやろうと、テンポの速い お囃子を して 狸の足を 滅茶苦茶に 操ったのです。狸は 股裂きされたり ひっくり返されたり 片足立ちにさせられたり 頭を芯にして独楽Komaのように 回されたり 宙返りさせたり 前向き後ろ歩きを させられたり されました。その苦しい事 苦しい事。息が切れるのを 堪え 狸は 素性を悟られないように 不自然な動きを おどけた演技に見せかけ 踊り続けました。狐は「いい様だ。俺の気持ちが解ったか。」と 思い狸が これ以上耐えられなくなると 悪戯を止めました。すると観衆から 大喝采がおこり「もう一回。もう一回。」と アンコールの嵐が おこり 投げ銭も バラバラと 雨霰Ame-Arareのように 投げられ、小判 大判を 狸の股引に入れてくれるも者も ありました。

そこで 狸は儲かったお金で思い切り沢山の買い物を して帰りました。勿論狐の大好物の油揚げや 天麩羅も しこたま買い込んでやりました。山に 帰ると 苦しさを共有した2匹は えもしれぬ信頼感を感じ 仲良しになって大笑いし、ご馳走Gotisouを 食べました。それからは 踊り方を 工夫し質を高め、お祭りがあると 狸岩を狸が叩き ポンポンと合図を 送ると 狐が 鼓岩を ボンボンと叩き 合図を返し、鼓山の北の野呂街道で 落合い 仲良くそろって あちこちに出かけ、 ブレークダンスや ムーンウオークや パントマイムをして しこたま稼せいだそうです。「三谷野呂の百怪談」

 鼓田:北緯34度49分46秒・東経133度49分12秒付近    小高山・ドンドン山:北緯34度49分13秒・東経133度48分53秒    大高山・鼓山:北緯34度49分11秒・東経133度49分6秒    昇龍山北の野呂街道・古川岩目線:北緯34度49分13秒・東経133度49分12秒   平成24年(2012年)5月6日