上加茂三宅2258番地の近く 北緯34度50分42秒・東経133度48分20秒に 山上堂と 地蔵堂が 建っています。山上堂には 神変大菩薩sinben-daibosatuと不動明王が 祀られています。両尊とも 霊験あらたかですので 六部が 入れ替わり立ち代わり お籠りし 両尊を 拝んでいました。六部が 籠ったのを聞き付けた近辺の者は 毒蛇 毒虫の被害を 癒してもらう為に また 適切な降雨を 求めるために 尋ねて来ると、六部達は 神変大菩薩に 祈祷し 忽ちに 願いを 叶えました。煩悩や 災厄に苦しむ者が  訪れると 不動明に 祈祷すると 堂内に 炎の光が 立ちこめ 忽ちに 願いが  叶えられました。願いが叶った者達は 感謝して お布施を しました。これを 聞いた少し悪賢い村の物３人が 六部と組み「何でも 願いが叶う   新品の衣服や 家財を お布施せよ」と 言いふらし お籠りし  祈祷しました。大したご利益は ありませんでしたが それなりにお布施が 集まったので、お布施の品を 持ち逃げようとすると 不動明王は 炎のような光を 発しました。村の悪者は お布施を抱え 六部は 不動明王像を 担いで 転げるように 村境の千升に向かって 逃げました。千升峠に 差し掛かると 何者か大勢の者が 闇夜に潜んでいる気配がしました。千升峠には追剥が出ると 聞いていたので 足が竦んで 動けなくなると 大勢の追剥が 現れて お布施の品は 勿論 身ぐるみまで 剥がされました。追剥が 六部の担ぐ 不動明王像に 触れると 天をも焦がす勢いで 炎が噴き出し、悪者共の欲と言う欲を 焼き尽くしました。騒ぎを 聞きつけた村人が  山上堂に駆けつけると もぬけの殻で お布施の品物も 不動明王像も なくなっていました。暫くして 生活に困っている人に ひそかに着物や 家財が 届けられたので もしやと思い 村人が 山上堂を 訪れてみると 不動明王像は 元の所に祀られていました とさ。「清経山の麓で作業中の人より口伝」    神変大菩薩：役小角En-no-Ozunoの事で「役の行者」として良く知られます  あらゆる毒を制し、雲を自在に操ります　不動明王：悩める者を 力づくでも 救うまで動かない 覚悟をした仏です あらゆる煩悩や災厄を 焼き尽くします　　平成３０年（２０１８年）２月１０日