上田東 貢 狼の恩返し The grateful wolf


昔、円城台地は 水が少なく 多くの人は 畑を耕し 猟師をし 獣を獲って 生活していました。貢の郷も 例外では ありませんでした。その頃は 山には 狼が住 んでいたので 山で猟 をしたり 山菜取りや 茸狩りに 入る事は 危険な行為でした。ましてや お婆さんで あれば 尚更でした。しかし 貧しいとなれば 如何なるikanaru危険も気にしていられません。木野山様に 参って「山の幸に 恵まれますように 病気や 怪我を しませんように」と 拝み、山菜取りに お婆さんが 出掛けました。この年は 何故か 山菜の要所に 行っても お目当ての山菜は 充分に 採取できませんでした。山の奥へ奥へ入り 山菜を 求め進んでいると、恐ろしげな獣の呻き声Umeki-goeが聞こえてきました。

逃げ帰ろうとしましたが 余りに 苦しそうな弱り切った声でしたので、信心深い お婆さんは 神仏の守護を願いながら 呻き声を 訪ねて行くと、雉Kijiの骨が 狼の歯の間に 挟まり 口の開け閉めが 出来ず、痩せ細り 酷い脱水を 起こしていました。狼は お婆さんを 見付けると、願うような目付きで 助けを求めているようでした。人間と 狼は 山の獣の恵みを 競う間柄ですから、互に 忌嫌っていましたが、狼は 人間が 獣に無い知恵の能力を 備えるのを 知っていたので「どうせ死ぬのなら このお婆さんの慈悲の心に 掛けて頼ってみよう」と 考えたのでしょう。お婆さんは 懇願する狼の眼を 見て、看過する事が 出来ず 助けてやる事にしました。咬まれる恐れがあるの で恐ろしいのですが「木野山様の大神様 御加護を」と 祈って狼の口の中に 手を入れ雉の骨を 抜いてやり、持ち合わせていた薬で 手当てしてやりました。「こんな 旨そうな雉の肉を 食いたいもんだ」と 呟きながら、御弁当の御稲荷をやり 新鮮な水を 汲んで来てやりました。すると不思議に それ後からは 沢山の山菜が 採れるようになりました。ある日 家で休んでいると 高い所から 何かを 落とす音がしました。外に出て見ると 立派な雉が 届けられていました。お婆さんは「狼のお礼返しじゃろう  情けは人の為ならずじゃ」と 思い、美味しく頂きました。それからは お婆さんが山に入ると、必ず 狼が現れ 帰り道を 護ってくれました。お婆さんは「木野山様の狼じゃろう」と 信じ 送り狼に 感謝し、狼の好物の塩を 舐めさせてやりました。「貢の村人のお話」 送り狼:夜道に出る妖怪で、転ぶと 食べられますが、転ばなければ 人を守り 家まで送ってくれます   転んだ時は まず煙草を 一服すれば、煙草の脂Yaniを 嫌い狼は 近寄りません  無事に帰宅できたら 守護に 感謝し 好物の飯や 草履の片方を やれば 喜んで去って行くと されます。detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1224616537」   送り狼:山の神であり 山に迷った人を 安全に 道案内して 戸山まで 送ってくれます  お礼に 好物の塩を やれば、又 道案内をしてくれます    送り狼:弱みが 有って困っている 異性に 親切を 装って 近付き、家に 送る 等する途中 で 隙を 見て 性的乱暴や 窃盗 等の悪さを 働こうとする者で、多くの被害者は 女性ですhttps://kotobank.jp/word/送り狼-451888」    狼や犬の習性:狼等は テリトリーに入った者を 偵察し、テリトリーを 出るまで 警戒します  高圧的であると 襲いますが、尻を 向け姿勢を低くすると 警戒のレベルを 下げ、時に警戒を 解きます。しか し空腹の狼や 臆病な犬 等は 襲って来る事もあるので 注意しましょう。

木野山神社:左写真は長丸 北緯34度51分49秒東経133度46分42秒の木野山神社です  中の写真は 高梁市津川町今津 北緯34度50分18秒東経度36分57秒の木野山神社の 駒犬代わりの 狼です  右写真は 愛媛県松山市東大栗町の 木の山神社の塩を 供えられた狼高寵神 闇寵神で、塩祓所も有ります   善良な人が 山道で迷うと、郷迄 狼の姿をした 高寵神 闇寵神が 送ってくれます   お礼を 言って 狼の好物の塩を 舐めさせないと 祟られます  邪悪な人は 捨て置かれます   この信仰が 送り狼の言葉の始まりです        平成25年(2013年)5月21日