その頃 狸は 豆の上に 体をこすり付け、豆を 毛の間に埋 め込んでいました。カワウソと 狐が それを見つけ「何をしとるんなら 豆の上で のたうっておって」と尋ねると、狸は 見つかった事に 驚きながらも「助けてくれぇ あの豆を食ったら、体中に豆みたい なホロセが できたんじゃ 痒ぃの痒ぅねぇのそりゃ-モンゲ-痒いーーい」と 答えました。落ちている 豆を
カワウソが 拾おうとすると「おえん そりゃぁワシのホロセじゃ 触るとホロセがうつるぞ」と 脅すのです。カワウソと 狐は「きょうてぇ事じゃ 狸さん 冷たい様じゃが おいとまさせてぇな」と言って 走って逃げ帰りました。すると狸は「うまい塩梅(に 騙せた
うめぇ うめぇ」と 豆を拾い集め、一粒 一粒、おいししそうに食べたそうです。「富永の村人の物語より」加茂川町の昔話(岡山私立幡小学校読書クラブ)によく似たお話が載っています。 ホロセ:蕁麻疹の症状の一種で痒みを伴う膨らみや瘡蓋Kasabuta状の吹き出物 平成28年(2016年)8月1日